Jay-Z And Other Top Artists Run This Streaming Site ‘TIDAL’ Against Spotify.
Jay-Zと言えば、押しも押されぬベテラン・ラッパー兼ビジネスマン。奥様であり歌姫として名を轟かすビヨンセと共に、フォーブス誌の”ハリウッドで最も稼いだ夫婦”ランキングでは2013年まで2年連続でトップの座に君臨していました。最近では、7000万ドル(約84億円)の超ラグジュアリー物件に入札して世間をにぎわせていましたっけ。
その彼が、新たなビジネスを立ち上げました。3月前半にスウェーデンのテクノロジー会社アスピロを5600万ドルで買収し傘下の音楽ストリーミング・サイトの”タイダル(TIDAL)とウィンプ(WiMP)を手中に収めた後、”TIDAL”をリニューアルさせ音楽ストリーミング市場に殴り込みをかけたのです。
30日に開いた記者会見では、絢爛豪華なアーティストが脇を固めました。ビヨンセをはじめカニエ・ウェスト、アリシア・キーズ、マドンナ、リアーナ、ニッキ・ミナージュ、アッシャー、ダフト・パンク、アルケード・ファイア、ジャック・ホワイト、J・コール、デッドマウスが颯爽と舞台に登場。まるで、音楽フェスのような豪華さです。コールドプレイのクリス・マーティンとカルバン・ハリスは、動画で参加していました。
Jay-Zだけでなく、全員がTIDALの株主を保有するオーナーでもあります。どうも2月に開催したグラミーで、Jay-Zはそれぞれにアプローチし「アーティストの、アーティストによる、アーティストのための」音楽ストリーミング・サイト立ち上げで協議したとか。テッククランチによると、最新アルバムをスポッティファイより断然早くストリーミング配信し差別化を図るといいます。
気になるお値段は、通常サービスなら1ヵ月当たり9.99ドル(約1200円)とスポッティファイと変わりません。ただし、高音質を約束するHi-Fiサービスだと19.99ドル(約2400円)でスポッティファイの2倍に相当するんですね。
有名アーティストが支援するストリーミング配信は、完全有料制。
(出所:TIDAL)
アーティストがJay-Zに賛同した決め手は、お金といって過言ではないでしょう。ザ・ヴァージによると、ロイヤリティはスズメの涙とされるスポッティファイの2倍だといいます。
現時点でスポッティファイの会員数は約6000万人にのぼり、そのうち有料会員は1500万人です。対するTIDALの有料会員数は、わずか1万7000人に過ぎません。スポッティファイが広告料金でカバーする無料ユーザーを受け入れる半面、TIDALは現段階で無料は想定していないもよう。この差が、業績として差を生むのでしょうか?はたまたアーティストを取り込んで”クール”なTIDALがストリーミング業界の潮流を覆し、巻き返しを図るのか。決戦の火蓋は、切って落とされたばかりです。
本日のニュースに対し、スポッティファイ以外の株価は反応ゼロ。ドクター・ドレが提供するビーツを有するアップルは2.5%高、パンドラも0.4%高で引けていました。しかし今回、Jay-Zとビヨンセを始めとするアーティスト軍団はスポッティファイだけでなく、アップルに挑戦状を叩きつけたも同然。ビヨンセが既にiTuneを通じたゲリラ作戦でアルバムをリリースした経緯もあるので、もうアップルの手を借りる必要もないのでしょう。TIDALの気になるCMは、画面トップの動画をご覧下さい。
(出所:TIDAL)
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