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S&P500は2月17日以来の続伸、ダウは3月で初

by • March 30, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1702

Dow And S&P500 Record First Back-To-Back Positive Close In March.

米株はダウ平均をはじめ、3指数が大幅続伸。前週末に行ったイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演がハト派寄りとの認識が浸透したほか、米2月中古住宅販売成約件数指数が2013年6月以来の高水準で景気減速懸念を払拭し、上昇気流に乗ったかたちです。さらに、中国からの援護射撃も買いを促進。2軒目の住宅購入者を対象に住宅ローン政策を緩和し、不動産価格の下落を通じたデフレ圧力の対策を講じたため、世界景気減速懸念も後退しました。ダウ平均は約1週間ぶりに18000ドル台を回復し、一時は295.98ドル高の18008.64ドルまで上値を拡大。年初来リターンを4営業日ぶりにプラスへ反転させています。S&P500とナスダックも大幅続伸 。終値ベースで3指数はそれぞれ、約1週間ぶりの高値をつけました。

それだけではありません。ダウ平均は3月で初めての続伸、S&P500は2月17日以来で初めて、続伸となります。S&P500は、2008年以来の続伸ゼロ記録を28営業日で止めました。

S&P500、50日移動平均線も超えて引け。
sp500
(出所:Stockcharts)

個別銘柄でも、ポジティブな材料に恵まれました。

▽セルラー・ダイナミクスが上昇、106.8%高で引け。
富士フイルム・ホールディングスが、iPS細胞の開発・製造大手セルラー・ダイナミクスの買収を発表した。株式公開買い付け(TOB)を通じて買収する。1株当たり16.5ドルで、前週末のセルラー・ダイナミクスの終値を108%上回る水準。総額3億700万ドルとなる見通しで、約1ヵ月で終了する予定だ。

▽ユナイテッドヘルスが上昇、2.5%高で引け。
米医療保険大手傘下のオプタムRxは、医薬品給付提供会社カタマラン・コープと約128億ドルの買収で合意した。 1株当たりの買収額は61.50ドルで、前週末のカタマランの終値を27%上回る水準。買収は、10−12月期に終了する予定だという。買収を通じユナイテッドヘルスケアは調剤件数が10億件に達し、2016年の1株当たり利益を約0.30ドル押し上げる見通しだ。カタマランも、23.8%高で取引を終えた。

▽フォードが上昇、1.1%高で引け。自動車メーカー大手は、ニューヨークで開催中の”2015年国際モーターショー”で高級車ブランド”リンカーン”から”コンチネンタル”の復活を発表した。2002年以来で初となり、2016年に販売を開始する計画。マーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、中国での販売拡大を視野に入れていると表明。中国での購入者は運転手を抱えているため、後部座席のオプションを充実させるという。

その他、GMは113年の歴史を誇る高級車ブランド“キャデラック”で最高峰となる“CT6”を披露。ボディはアルミニウムをはじめ10種類以上の素材を使用しており、販売開始は今年後半をメドとしている。GMは1.0%高で終了した。

▽マクドナルドが上昇、1.0%高で引け。ファストフード・チェーン最大手は、試験的に朝食メニューを終日展開する計画を発表した。カリフォルニア州サンディエゴで、4月から実施する。同地域での朝食メニュー受付は午前10時30分までだったが、朝食メニューを1日中取り扱うことでどれだけ集客につながるか注目。ただ朝食メニューはガスコンロを多用するため、ハンバーガー作りのオペレーションを阻害しないか懸念も残る。

▽テスラが上昇、3.0%高で引け。
テスラ・モーターのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッターを通じ、自動車以外の新製品を4月30日に発表する計画を明らかにした。詳細は不明だが、マスクCEOは2月に家庭用の据え置き型蓄電池を数ヵ月以内に発表する計画について言及済み。公益セクターにはネガティブ材料といえる。

——イエレンFRB議長の発言、中国のデフレ対策、米住宅指標を背景に力強い上昇を遂げた米株。31日に続伸記録を3日に伸ばし、1−3月期を陽線引けで終えられるのでしょうか。仮に3日続伸すれば、S&P500は間違いなく9四半期連続の上昇を迎えます。以下は、S&P500における四半期ベース続伸記録のおさらいです。

S&P 500
2015年第1四半期 30日時点で1.3%高
2014年第4四半期 4.39%
2014年第3四半期 0.61%
2014年第2四半期 4.69%
2014年第1四半期 1.30%
2013年第4四半期 9.92%
2013年第3四半期 4.69%
2013年第2四半期 2.36%
2013年第1四半期 10.03%
2012年第4四半期 1.01%

逆に言えば、31日に1%超えて下落しない限りS&P500は四半期続伸記録を9へ伸ばすこと必至。月末・期末のドレッシング買い期待もあり、利益確定の売りが入る程度ならば吸収されるでしょう。ただ今年の相場はボラが激しく、油断は禁物ですが。

(カバー写真:Wall Street Daily)

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