Alcoa Beats On Earnings, Great News For S&P500?
決算シーズンの到来を告げるアルコア、引け後に発表した1−3月期の業績はイマイチでした。時間外取引で、株価は一時3.4%下落。開幕早々、ツチをつけてしまっています。
▽1−3月期
純利益は1億9500万ドル>前年同期は1億7800万ドルの赤字(再編をめぐり製錬所・圧延所を削減した影響)
調整済み1株当たり利益0.28ドル>市場予想0.26ドル
・アルミナ部門のEBITDAは2億2100万ドル>前年同期は9200万ドル
・一次金属部門のEBITDAは1億8700万ドル>前年同期は1500万ドルの赤字
・圧延品部門(自動車、航空関連など向け)のEBITDAは3400万ドル<前年同期は5900万ドル
・工業品部門のEBITDAは1億9100万ドル>前年同期は1億8900万ドル
売上高は6.7%増の58億2000万ドル>市場予想59億4000万ドル
アルミ1トン当たりの売上高は、前年同期比10%上昇の2420ドル(前期比は6%下落)
フリーキャッシュフローは4億2200万ドルのマイナス、2014年10−12月期は9億8900万ドルと2010年10−12月期以来で最大
2014年は7−9%増の5400万メトリック・トンを見込み、従来の7%増から上方修正。
▽2015年見通し
アルミ需要は6.5%増の5750万メトリック・トンと過去最高へ、1月時点から据え置き
航空部門の需要は9−10%増、1月時点から据え置き
自動車部門の需要は2−4%増、1月時点から据え置き
建設部門は5−7%増、1月時点から据え置き
産業・ガスタービン部門は2−3%増、1月時点から据え置き
独Titalの買収を完了
アルコアは3月、RTIインターナショナル・メタルの買収を発表。2014年12月にはドイツのタイタニウム製造大手Tital、2014年6月には英国のジェット・エンジン部品製造会社ファースト・リクソンを買収しており、自動車部品および航空関連といった部門への集約を進めている。
クラウス・クラインフィールド最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「1−3月期は高速で事業変換を進める当社の結果を反映した」と評価。自動車や航空宇宙部門をはじめとした「新たな稼働力を活かし、業績改善に向け迅速に行動している」と強調した。
底打ち期待は、空しく春霞へ消えてしまうのか。
(出所:Stockcharts)
——自動車・航空宇宙関連を網羅するアルミナ部門が業績を押し上げたほかアルミ価格が前年比で上昇した大幅黒字転換につながったとはいえ、売上が予想以下に終わったのは痛かった。フリーキャッシュフローもマイナスに落ち込み見通しも据え置きとあっては、買いで反応しづらいというものです。
そうはいいながらアルコアの決算とS&P500のリターンとは強い相関性があるため、ひとまず1株当たり利益が予想を上回った点は評価したい。CNBCによると、2005年以降でアルコアが市場予想を上回った回数は16回、予想以下に終わったのは23回と負け越しています。ただしアルコアが市場予想を上回った16回のうち、S&P500がその四半期に上昇する確率は75%。平均で4.4%上昇してきました。逆に予想以下の場合、S&P500が上昇する確率は65%に低下します。ただし平均のリターンは0.24%の下落ですから、上昇した確率が高くとも小幅にとどまってきたのでしょう。
今回のアルコア決算は、1株当たり利益こそ市場予想を上回ったものの売上高は残念な結果に終わりました。足元のボラティリティの高まりを反映し、波乱の幕開けを告げているかのようです。
(カバー写真:Jarrett Stewart/Flickr)
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