Low Rates And Fixed Income Trading Squeeze Bank Of America’s Profit.
バンク・オブ・アメリカ(BOA)が15日寄り前に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が33億5700万ドルだった。訴訟関連費用の縮小が寄与し、前年同期の2億7600万ドルの赤字から黒字転換している。希薄後の1株当たり利益は0.27ドルと、市場予想の0.29ドルを下回った。収入は5.9%減の214億2100万ドルとなり、市場予想の215億ドルに届かず。保有する債券価格の変動のほか、トレーディング部門の不振、低金利を背景とした金利収入の低下で減収となった。
純金利収入は、前年同期比6.0%減の96億7000万ドル。2014年10−12月期の98億6500万ドルも下回り、引き続き低金利とローン残高の減少で押し下げられた。非金利収入も5.8%減の117億5100万ドルで、2014年10−12月期の90億9000万ドルから増加しつつ前年比では弱含みを維持している。
コスト削減を掲げるなか金利を除く営業費用は30%減の157億ドルだったものの、2014年10−12月期の142億ドルからは増加した。総従業員数が8%減の21万9700人だったほか2014年10−12月期の22万3700人から減少したにも関わらず、費用負担が拡大している。
純金利マージンは、2.17%。2014年10−12月期の2.18%、および前年同期の2.29%を下回りウェルズ・ファーゴと同じく下方圧力を確認した。
低金利を背景に、純金利マージンは低下の一途をたどる。
(出所:Bank Of America)
▽グローバル・マーケッツ部門
純利益は前年同期比28.1%減の9億4500万ドルとなり、2014年10−12月期の7200万ドルの赤字から黒字へ転換した。収入が8.3%減の46億300万ドルで、2014年10−12月期の23億7000万ドルからも減少。トレーディング収入が5.1%減の38億9500万ドルとなっており、債券・為替・商品(FICC)部門が6.8%減の27億4500万ドルと弱い。為替で過去最高を記録した半面、クレジットと住宅ローンが引き続き押し下げた。株式も1.0%減の11億5000万ドルだった。
▽グローバル・バンキング部門
純利益は前年同期比5.7%増の13億6500万ドルだったものの、2014年10−12月期の15億1100万ドルを下回った。収入が5.5%減の42億8900万ドルで、こちらも前期の43億3200万ドルから減少している。投資銀行の手数料が3.6%減の15億ドルと、減収の一因に。合併・買収(M&A)手数料はメリルリンチを買収した2009年以来で最高を記録したものの、債券引き受け業務が24%減と押し下げた。平均の融資・リースの残高は、2%増の2895億2400万ドルだった。
▽個人・商業銀行部門
純利益が前年同期比0.5%増の14億6500万ドルとなり、2014年10−12月期の16億6100万ドルから減少した。収入は2.7%減の74億5000万ドル、2014年10−12月期の775900万ドルも下回った。平均ローン残高は1.6%増の1995億8100万ドルとなり、2014年10−12月期の1992億1500万ドルも超えている。平均預金残高は5%増の5313億6500万ドルとなり、2014年10−12月期の5175億8000万ドルからも増加。新規クレジットカード発行枚数は13%増の120万枚と2桁増を維持し、そのうち66%は既存顧客向けで2014年10−12月期の67%から小幅に低下した。
住宅ローン組成額は56.4%増の169億ドルと、2014年10−12月期の116億ドルから拡大した。そのうち137億ドルが第一抵当者向けの住宅ローンで、32億ドルがホーム・エクィティ・ローンとなる。
▽資産運用部門
純利益が前年同期比10.7%減の6億5100万ドルで、2014年10−12月期の7億600万ドルも下回った。収入は2.7%増の45億1700万ドル、2014年10−12月期の46億200万ドルから減少している。顧客資産(運用資産、信託資産、証券資産、預金・融資など)は5.6%増の2兆5100億ドルとなり、2014年10−12月期から増加した。長期資産の運用資産は147億ドルの資金流入を示し、23期連続で増加。運用資産は1.6%増の9170億ドルと、前期の9020億ドルから増加した。
引当金は前年同期比24.2%減の7億6500万ドルとなり、2014年10−12月期の2億1900万ドルから増加した。中核的自己資本(コアTier1)比率は前期に続き10.3%となり、前年同期は10.0%を上回った。
2009年以来初めて会長職を兼任するブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、決算資料で「2014年10−12月期のトレンドを維持するなか中核的な貸出と預金動向は伸びを確認し、住宅ローン組成額や資産運用部門の残高も増加した」と振り返った。また「投資銀行部門では助言業務で首位の維持しており、個人・法人顧客の活動は引き続き心強い」ともコメント。支出を削減しながら、成長に注力する構えを打ち出した。
——債券トレーディング部門と貸出での利ざや縮小が仇となり、BOAの決算は芳しくありません。住宅ローン組成額の増加が心強いとはいえ、アナリストからはコスト削減が十分ではないとの批判も聞かれており株価は一時1%近く下落。JPモルガンとは明暗を分けました。
(カバー写真:Forbes)
Comments
ドラギECB総裁の記者会見に、女性抗議活動家が乱入 Next Post:
ベージュブック、製造業を中心にドル高の悪影響を報告