Earnings Roundup : Yahoo, Yum! Brands, Chipotle, VMWare, Broadcom.
21日引け後の決算発表を振り返ります。ヤフーは広告収入が弱く、減収・減益だったものの、マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が秘策を弄し何とか切り返しています。ヤム!ブランズは中国が息を吹き返す兆しをみせ、買いで反応。そのほか iPhone 6にチップが搭載されているブロードコムが買われ、チポトレとVMWは下落し、まちまちな展開が続きます。
▽ヤフー
ポータルサイト大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比93%減の2億1200万ドルだった。営業費用が19%増の13億1000万ドル、提携先へのトラフィック獲得費用(TAC)が298.9%増の1億8310万ドルとなり、利益を圧迫している。調整済み1株当たり利益は0.15ドルとなり、市場予想の0.18ドルより弱い。TACを除く収入も4.4%減の10 億4300万ドルと、市場予想の10億8700万ドルを下回った。
TACを除いた収入別動向では、表示広告が前年同期比6.8%減の3億8130万ドルで4期連続で減少した。検索連動広告も2.8%減の3億8130万ドルと、揃って減収に。モバイルは61.4%増の2億3400万ドルながら、2014年10−12月期の2億5400万ドルから7.9%減少している。モジラと2014年11月に戦略的提携を結びブラウザ”ファイアフォックス”の標準検索エンジンがヤフーとなったため、検索総数は増加した。
時間外取引では一時2.1%下落したものの、マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が株価対策のためヤフー!ジャパンの株式放出を視野に助言業者を採用したと明かした後に切り返した。物言う投資家スターボード・バリューが一段と圧力を強める可能性も、意識されている。
▽ヤム!ブランズ
ファーストフードチェーン大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比9%減の3億6200万ドルだった。調整済み継続事業ベースの1株当たり利益は0.80ドルで、市場予想の0.72ドルより強い。売上高は9%減の26億2000万ドルとなり、市場予想の26億5000万ドルには届かず。ただし同社の売上で最も大きなシェアを占める中国の既存店売上高が12%減と、市場予想の14.4%減および2014年10−12月期の16%減から下げ幅を縮小した安心感を誘った。
中国の業績は期限切れ肉納入問題を背景に引き続き弱含みも、少しずつ改善。
(出所:Yum! Brands)
その他、部門別動向は以下の通り。
>ケンタッキー・フライド・チキン
売上高は8%増、既存店売上高が5%増
>ピザ・ハット
売上高は2%増、既存店売上高は横ばい
>タコベル
売上高は9%増、既存店売上高は2%増
2015年の1株当たり利益見通しは、少なくとも前年比10%増で維持。時間外取引で、株価は一時4.3%も急伸した。
▽チポトレ・メキシカン・グリル
メキシコ料理系ファーストフード・チェーン大手に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比47.6%増の1億2260万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は3.88ドルと、市場予想の3.66ドルより強い。売上高は20.4%高の10億9000万ドルで、市場予想の11億1000万ドルを下回った。既存店売上高は10.4%増と、市場予想の11.8%増に届かず売上の重しとなっている。
2015年見通しは既存店売上高につき1〜5%増、新規開店数も190〜205を維持した。
▽VMウェア
コンピューター仮想ソフトウェア製造大手が取引終了後に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比1.5%減の1億9600万ドルだった。調整済み1株当たり利益は0.86ドルと、市場予想の0.84ドルより強い。売上高は11.1%増の15億1100万ドルで、市場予想の15億ドルを上回った。為替変動を除く場合は13%増となる。売上の部門別ではラインセンスが2.7%増の5億7600万ドル、サービスが17.0%増の9億3500万ドルだった。
カンファレンス・コールにて発表した4−6月期の売上高予想は15億8000万〜16億ドルで、中央値はアナリスト予想平均の16億ドルに届かず。調整済み1株当たり利益も0.90〜0.92ドルとし、レンジ上限が市場予想の0.92ドルに届く程度だった。
2015年通期は売上高につき65億7000万〜66億9000万ドルを見込み、従来の66億4000万〜67億6000万ドルから引き下げた。市場予想の66億9000万ドルを下回る。見通し引き下げの背景に、ドル高を挙げた。株価は一時2.2%下落した。
▽ブロードコム
半導体メーカー大手が取引終了後に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比26.7%増の2億900万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.34ドルと、市場予想の0.60ドルより強い。売上高も3.7%増の20億5800万ドルと市場予想の20億1000万ドルを上回った。アップルのスマートフォン”iPhone 6”向けのチップがけん引した格好だ。
4−6月期の見通しは、売上高につき20億2500万〜21億7500万ドルを見込み、レンジ中央値は市場予想の20億7000万ドルを超えた。4月に販売を開始したサムスン”ギャラクシー S6”に同社のチップが搭載されており、売上に寄与する公算が大きい。時間外取引では、一時4.4%も跳ね上がった。
(カバー写真:Robert Galbraith/Reuters)
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