homeforsale

米3月中古住宅販売件数、春を迎え2013年9月以来の高水準

by • April 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1718

Existing Home Sales Spring In March, Reaching The Highest Level In 18 Months.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米3月中古住宅販売件数は年率519.0万件となり、市場予想の505万件を超えた。2013年9月以来の高水準を達成。9ヵ月ぶりの低水準だった1月の482万件で底打ちを示し、2月の489.0万件(488万件から上方修正)を6.1%上回っている。過去6ヵ月間では、4回目の増加を示した。前年比では10.4%増と、6ヵ月連続でプラス圏を維持。前月の4.7%から伸びを加速させた。

内訳をみると、一戸建てが前月比5.5%増の459万件となり2ヵ月連続で増加した。複合住宅も11.1%増の60万件となり、6ヵ月ぶりに増加に転じている。

4大地域別では、すべて増加。前月の2地域を上回った。今回は中西部が10.1%増の120万件、南部も3.8%増の219万件と2ヵ月連続で増加している。西部は6.3%増の118万件、北東部も6.9%増の62万件と増加に転じた。

在庫件数は、前月比5.3%増の200万件と2ヵ月連続で増加した。販売件数の伸びが在庫を上回ったため、在庫相当は4.6ヵ月と、前月の4.7ヵ月から短縮。ただ金融危機以降で最も短期化した2014年1月の4.3ヵ月以下の水準を保つ。中央価格は前年比で7.8%上昇の21.21万ドル。10ヵ月ぶりに20万ドル割れとなった前月から、あらためて大台に乗せた。前月比では5.1%上昇し、2ヵ月連続で上向いている。売り出し平均期間は52日と前月の62日から短縮しつつ、足元最短だった2013年6月の37日を上回る水準を保った。

中古住宅販売件数、2013年半ば以来の水準を超えてくるのか。
nar
(出所:NAR)

買い手の内訳は、以下の通り。

・差し押さえ物件 7%<前月まで3ヵ月連続で8%、前年同月は10%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 3%=前月を含め5ヵ月連続で3%、前年同月は4%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 10%=前月まで3ヵ月連続で11%、前年同月は14%
・新規購入者 30%>前月は29%、前年同月は30%
・現金での購入者 24%<前月は26%、前年同月は33%
・住居用ではなく投資向け 14%=前月は14%、前年同月は17%

発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「今年はひっそりとした幕開けだったものの、3月に売上動向は全米で大幅に回復した」と評価。その上で「低金利と雇用確保への安心感が買い手の信頼感を改善させ、ここ数年のペントアップ・ディマンドが数字に現れたと言える」と振り返った。

バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは結果に対し「米3月中古住宅販売件数の大幅回復に加え、販売価格の上昇を踏まえると仲介業者のコミッションも増加が見込まれる」と指摘。力不足だった米3月住宅着工件数を乗り越え「1−3月期の住宅投資は国内総生産(GDP)に寄与する可能性を示す」とし、「米1−3月期GDPの予想を従来の1.1%増から1.2%増へ引き上げる」とまとめた。

低金利も、住宅需要を後押し(緑が全米、青はNYの住宅ローン金利平均)。
rates
(出所:Zillow)

全米抵当貸付銀行協会 (MBA)住宅ローン申請件数指数は4月17日週に前週比2.3%上昇し458.4となった。前週から、上昇に反転している。新規が5.0%上昇の205.4と反発しただけでなく、2013年6月以来の高水準を示現。前年比は7週連続で上昇をたどり、前週の7.6%から15.6%と直近で最高を示した。借換も0.6%上昇の1908.1となり、3週ぶりにプラス圏へ切り返した。

米連邦住宅局(FHA)を通じた住宅ローン申請件数指数は、前週比2.7%上昇した。5週連続でプラスを示す。新規が5.2%と上昇に転じたほか、借換も0.3%の上昇と3週連続でヘッドラインを支えた。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.83%と、 前週の3.87%から低下。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79%からは、11週連続で上振れしている。15年固定金利型(平均)も3.11%と、 前週の3.16%を下回った。FHAのローン金利のみ3.65%となり、前週の3.67%を下回り直近で最低となる。

申請全体に占める借換の割合は56.2%と、前週の57.5%から低下。新規の割合が高まるなか、2014年10月以来の低水準を維持した。2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%割れを保つ。

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米2月住宅価格指数は前月比0.7%の上昇となり、市場予想の0.6%を上回った。前月の0.6%に続き上昇トレンドを維持している。前年比では2013年5月につけたピークの8.6%から鈍化トレンドを維持し、5.4%上昇。前月の5.1%からは加速した。国勢調査で扱う9大地域別では、8地域が上昇。前月の6地域から増加した。

——住宅指標は軒並み、市場予想を上回りました。ニューヨークの街角で桜が花開く頃、雪解けとともに潜在購入者が住宅市場に押し寄せた様子がうかがえます。特に米3月中古住宅販売件数につき、新規購入者の割合が足元で最高だった点は心強い。MBA住宅ローン申請件数指数は直近で低下は一時的にとどまり住宅投資がGDPを支える期待が浮上するなか、景気回復は七部咲きを超え満開を迎えるのでしょうか。

(カバー写真:FFEE)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.