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22日の決算ラウンドアップ①:コカコーラ、マクド、ボーイング、アムジェン

by • April 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3360

Earnings Roundup : KO, MCD, BA, AMGN.

22日の寄り付きに発表されたコカコーラ、マクドナルド、ボーイングの決算と、21日引け後にリリースされたアムジェンをお届けします。コカコーラは値上げとイースターに絡むカレンダー要因で好調、マクドナルドは不振から脱却できず。ボーイングは売上高が市場予想以下に終わったほか、キャッシュフローが嫌気されました。アムジェンはバイオテクノロジー関連の先駆けとして、幸先の良いスタートを切っています。

▽コカコーラ

飲料メーカー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比3.9%減の15億5700万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.35ドル。特殊項目を除く1株当たり利益は0.48ドルと、市場予想の0.42ドルより強い。売上高は1.3%増の107億1100万ドルとなり、市場予想の106億6000万ドルを上回った。世界全体で3%の値上げに踏み切った影響もあり、9四半期ぶりに増収に転じている。また、イースターの関係で前年同期より6営業日長かったことも売上に寄与した。為替変動などを除く売上高は8%増となり、ドル高の影響で6%押し下げられた。数量ベースの売上は前年同期比1%増となり、炭酸飲料と炭酸以外そろって1%増を示す。

地域別での動向は、以下の通り。

>北米(純売上高は51億ドル、全体の47.6%)
数量ベースでは横ばい、炭酸飲料が1%減に対し炭酸以外は2%増
売上高は6%増、為替変動を除くと10%増、為替差損は1%減、買収・撤退関連の影響で3%減

>欧州
数量ベースでは1%増、炭酸飲料は横ばいながら炭酸以外が4%増
売上高は6%減、為替変動などを除くと5%増、為替差損は11%減

>アジア太平洋
数量ベースでは3%増、炭酸飲料が6%増と寄与した一方で炭酸以外は1%減
売上高は2%減、為替変動などを除くと6%増、為替差損は8%減

>南米
数量ベースでは横ばい、炭酸飲料が横ばいに対し炭酸以外は2%増
売上高は4%減、為替変動などを除くと11%増、為替差損は15%減

>ユーラシア・アフリカ
数量ベースは4%増、炭酸飲料と炭酸以外そろって4%増
売上高は3%減、為替変動などを除くと7%増、為替差損は10%減

2015年見通しは、特殊項目を除く1株当たり利益につき5%増で据え置いた。決算に合わせ、北米のボトリング事業のうち約3分の2を2017年までにフランチャイズ体制へ移管するとも発表。残りは、2020年までに順次進めるという。株価は、一時1%高を迎えた。

▽マクドナルド

ファーストフードチェーン最大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比32.6%減の8億1150万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は23%減の0.84ドルとなり、市場予想の1.06ドルより弱い。評価損と再編費用で0.17ドル、ドル高により0.09ドルそれぞれ押し下げられている。売上高は11.1%減の59億5890万ドルで、市場予想の60億2000万ドルを下回った。為替変動を除いた場合は1%減となる。世界の既存店売上高は2.3%減となり、全般的に客足の鈍化が響いた。

地域別の既存店売上動向は、前年同期比ベースで以下の通り。

>北米 2.6%減、客足鈍化で売上減少
>欧州 0.6%減、英国が好調だったものの仏、ロシアが押し下げた
>アジア太平洋・中東・アフリカ 8.3%減、特に日本で期限切れ肉問題の影響が根強く残り全体を押し下げつつ中国は改善

スティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「業績を改善させ持続的に利益を達成するべく、事業再生計画に取り組んでいる」と表明。具体的な詳細は「5月4日に発表する」方針を打ち出した。株価は散々な決算内容を無視し、事業再生計画に着目し一時2%近く上昇した。

イースターブルックCEO体制で、青汁に使われるケールを使った健康メニューを検討中との噂も。
easterbrook
(出所:Zerohedge)

▽ボーイング
航空機製造大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比38.4%増の13億3600万ドルだった。年金費用などを除く調整済みコア1株当たり利益は1.97ドルと、市場予想の1.80ドルより強い。売上高は8.3%増の221億4900万ドルとながら、市場予想の225億ドルを下回った。受注残額は4950億ドル相当で、商業機で5700機を数える。一方で、営業キャッシュフローは8800万ドルとなり、前年同期の11億1200万ドルから92%も落ち込んだ。フリーキャッシュフローにいたっては、前年同期の6億1500万ドルからマイナス4億8600万ドルへ反転。「787 ドリームライナー」の繰り延べ生産費用が総額で前期比3%増の269億4000万ドルもかさんでいた。

売上の部門別動向は、前年同期比ベースで以下の通り。

>商業機
引き渡し数 14%増の184機
売上高 21%増の153億8100万ドル
営業利益 8%増の16億1700万ドル
営業利益率 10.5%<前年同期は11.8%

>航空宇宙
売上高 12%減の67億900万ドル
営業利益 13%増の7億4300万ドル
営業利益率 11.1%>前年同期比は10.2%

2015年の見通しは、全て据え置き。売上高につき945億〜965億ドル、コア1株当たり利益は8.20〜8.40ドル、1株当たり利益は8.10〜8.30ドル、営業キャッシュフロー90億ドル超と見込む。株価はキャッシュフローを嫌気し、一時2.7%も沈んだ。

▽アムジェン
バイオ製薬最大手が21日引け後に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比51.2%増の16億2300万ドルだった。買収費用などを除く調整済み1株当たり利益は32.6%増の2.48ドルと、市場予想の2.10ドルより強い。売上高は11.3%増の50億3300万ドルとなり、市場予想の49億1000万ドルを上回った。為替差損により、2%押し下げられたという。なお同社の売上のうち、海外が占める割合は約25%にとどまる。

製品売上高は、12%増の37億7100万ドルだった。個別では、2013年にオニキス・ファーマシューティカルを買収してポートフォリオに追加した多発性骨髄腫向け治療薬の”Kyprolis”が59%増の1億800万ドルと寄与。主力の関節リウマチ薬”エンブレル”も13%増の11億1600万ドルと、2桁増を達成した。ガンの化学療法による好中球減少症の治療薬”ニューポジェン”と”エポジェン”は横ばいの11億3400万ドルだったものの、全体的に2桁増が目立つ。

同社は下半期に副甲状腺機能亢進症向け治療薬”AMG 416”、尋常性乾癬治療薬の”Brodalumab”の申請を目指す。年内には、米食品医薬品局(FDA)から承認済みの慢性心不全の治療薬”コロラノール”を展開する計画。その他、LDL(悪玉)コレステロール低下薬”evolocumab”が承認される見通しだ。

2015年の1株当たり利益は9.35〜9.65ドルとし、従来の9.05〜9.40ドルから上方修正。売上高も209億〜213億ドルとし、従来の208億〜213億ドルから引き上げた。株価は決算結果と見通しを受け、一時0.3%高を示した。

(カバー写真:Coca-Cola)

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