Earnings Roundup : Ford, Pfizer, Merck, Bristol-Myers Squibb.
本日も続々と決算が発表されています。こちらではフォードをはじめ、製薬大手ファイザー、メルク、ブリストル−マイヤーズ・スクイブをご紹介。例によって全体的にドル高の打撃が表れた決算がそろい、メルク以外の株価はNY時間の午前中にかけ軟調に推移しています。
▽フォード
自動車メーカー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比6.6%減の9億2400万ドルとなった。希薄後の1株当たり利益は0.23ドル 。営業利益は1.7%増の14億500万ドルで、1株当たりの営業利益も0.23ドルと市場予想の0.26ドル以下にとどまった。同社は法人税率がアナリスト予想を上回ったためと説明している。 売上高は6.2%減の339億ドルとなり、市場予想と一致。5大地域別では売上がそろって減少しており、競合のGMと同じくドル高が響いている。
5大地域別動向は、以下の通り。
・北米では、売上高が2.0%減の200億ドル。税引き前の営業利益は10.7%減の13億4000万ドルだった。主力ピックアックトラック“F150”をアルミ製車体へモデルチェンジした影響に加え“エッジ”の新型を発表したため、コストがかさんだ。 北米での営業利益率は6.7%となり、前年同期の7.3%から低下している。
”F-150”の生産遅延によりディーラー向け販売台数をはじめ、全て前年比で低下。
(出所:Ford)
・南米は引き続き不振にあえぎ、売上高は21.1%減の15億ドル。税引き前の営業損益は63%減の1億8900万ドルの赤字となり、営業損益率もマイナス27.0%からマイナス12.5%へ下げ幅を縮小した。
・欧州では、売上高が11.6%減の69億ドル。税引き前の営業損益は4.6%減の1億8500万ドルの赤字、税引き前の営業損益率はマイナス2.7%と、前年同期の2.5%から悪化した。
・中東・アフリカでは、売上高が8.5%減の11億ドル。もっとも営業利益率が7.5%の前年同期の4.7%から大幅改善し、営業利益率も46.3%増の7900万ドルとなった。
・アジア太平洋では、売上高が11.6%減の23億ドル。営業利益率は4.5%と前年同期の11.1%から急低下し、税引き前の営業利益も74.6%減の1億300万ドルだった。
2015年通期は、の税引き前利益見通しを85億〜95億ドルで維持。北米の営業利益率については従来見込みの8〜9%から8.5〜9.5%に引き上げた。
アラン・シャンクス最高財務責任者(CFO)は、”F-150“こそ4—6月期のけん引役になると予想。1−3月期の供給量は40%減だったため、営業利益を10億ドル押し下げたとも明かしている。その上で、”F−150“の生産体制が正常化すれば、営業利益率は10%に到達すると見込んだ。株価は減収・減益決算に反応し、一時0.4%下落した。
▽ファイザー
製薬大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比2.0%増の23億7600万ドルだった。特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.51ドルと、市場予想のドルより0.49ドルより強い。同社は2月、ホスピラと160億ドルでの買収で合意していた。売上高は4.3%減の108億6400万ドルとなり、市場予想の107億ドルを上回った。
売上の内訳をみると、後発医薬品を含む一般薬品が16%減の50億1400万ドルと足を引っ張った。後発医薬品において疼痛治療剤”リリカ”、鎮痛剤”セレブレックス”などの競争が激化し、減収に至っている。特殊医薬品は9%増の57億3800万ドルだった。特殊医薬品では、ワクチンが44%増の13億2800万ドルと寄与したほか、消費者向けヘルスケアも6%増の8億800万ドル、腫瘍ケアも8%増の5億2800万ドルと増収を達成した。
2015年通期は、1株当たり利益を1.95〜2.05ドルとし従来の2.0〜2.10ドルから下方修正。売上高も440億〜460億ドルとし、従来の445億〜465億ドルから引き下げた。ドル高の逆風要因を挙げている。見通しを嫌気し、株価は一時0.3%売られた。
▽メルク
製薬大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比44.1%減の9億5300万ドルだった。買収・再編費用がかさんだため、大幅減益を計上している。特殊項目などを除く調整済み1株当たり利益は0.85ドルと、市場予想の0.75ドルより強い。売上高は8.2%減の94億2500万ドルで、為替差損で5%押し下げられたほか部門撤退による売上減少が響き落ち込んだ。もっとも、市場予想の90億7000万ドルを大幅に上回る。
製品部門別は以下の通りで、為替差その打撃が著しい。
(出所:Merck)
2015年通期は、1株当たり利益を3.35〜3.48ドルとし従来の3.32〜3.47ドルから引き上げた。27日に同社は糖尿病治療薬”ジャヌビア”の心臓安全性試験で好結果を出したと報告していたものの、小幅にとどめている。それでも、株価は懸念されていた”ジャヌビア”をめぐる安全不透明性が後退したほか好業績に反応し、一時5%も急伸した。
▽ブリストル−マイヤーズ・スクイブ
製薬大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比27%増の11億9000万ドルだった。年金費用や糖尿病部門の売却益など特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.71ドルと、市場予想の0.50ドルより強い。粗利益率は79%と、前年同期の74.6%から上昇している。売上高は6%増の40億4100万ドルと、市場予想の38億4000万ドルを上回った。米国が16%増の20億ドルだったものの、海外が2%減の20億ドル。糖尿病部門を除いた場合の海外売上高は10%増となり、為替差損を除けば17%増に拡大するという。
2015年通期の調整済み1株当たり利益は1.60〜1.70ドルとし、市場予想の1.72ドルに届かず。株価は一時1.8%落ち込んだ。
(カバー写真:Ford)
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