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米4月新車販売台数、前月と正反対でGMとフォード以外が弱い

by • May 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off4349

April Auto Sales Less Than Expected, Asian Makers Offset GM And Ford.

米4月新車販売台数は、ビッグ3のうちゼネラル・モーターズ(GM)とフォードが市場予想を上回り前月から挽回した。ガソリン価格が底打ちしウェルズ・ファーゴがサブプライム層向けローン組成額に上限を設定するものの、引き続きスポーツ多目的車(SUV)やトラックなど大型車がドライバーとなっている。もっともトヨタをはじめ日本車をはじめとしたアジア自動車メーカーのほか、フィアット・クライスラーが振るわず。前月と正反対の動きをみせた。

オートデータが発表した米4月新車販売台数は、前年同月比4.6%増の145万4951台だった。春を迎えながら、市場予想の6%以下にとどまっている。3月の154万5802台からは、5.9%減少した。年率でも1645万台となり、市場予想の1690万台に届かず。4ヵ月ぶりに1700万台乗せを果たした3月の1715万台も下回った。

ケリー・ブルー・ブックによると、4月の平均販売価格は前年同月比2.6%上昇の3万3560ドル(約400万円)。前月比では0.6%上昇し、3ヵ月ぶりにプラスを示す。

メーカー別の4月平均価格、ズラリ上昇が目立つ。
kbb
(出所:Kelley Blue Book)

前年比で価格が上昇した一因として、引き続きSUVやトラックや輸入車など高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41%を遂げ、SUVの9%を大幅に上回っていた。

気になる自動車ローン期間は、新たに組まれたもので平均67.8ヵ月(約5年半)だった。標準とされる36ヵ月(3年)を大幅に上回る。フォードによると、ローン期間は長いもので84ヵ月と7年に及ぶという。マーク・ラニーブ最高販売責任者は、サブプライム層ではなく「信用スコアの高い顧客が高級車に手を伸ばしている」と説明。ガソリン価格下落をはじめ雇用改善、自動車ローン融資の緩和も重なり、大型車や高級車の需要を支えたようだ。

年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の販売台数を超える見通しだ。

以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比5.9%増の26万9056台となり、市場予想の5.3%増を上回った。4大ブランド別では、3ブランドが増加し前月の2ブランドを超えている。クロスオーバーが過去最高を遂げ、全体をけん引した。トラックやSUVを抱えるGMCが20.0%増の4万7194台と前月に続き好調で、「アルカディア」が40%増などクロスオーバーでは4月単月で最高を示現している。シボレーも3.4%増の18万7873台と、前月から増加に反転。「エクィノックス」が42%増で4月単月で過去最高をマークしており、クロスオーバーは51%増と躍進した。高級ブランドのキャデラックは13.7%増の1万5801台で、3ヵ月ぶりに増加した。高級車ビュイックのみ5.2%減の1万8224台と、減少に転じている。

フォードは5.4%増の22万2498台となり、市場予想の4.5%増を上回った。2大ブランド別ではそろって前年比で増加し、3月から反転させた。フォードは、4.9%増の21万4364台。新型モデルのSUV「エッジ」が77.6%増の1万3097台と過去最高となり、SUV全体では4月単月での記録も塗り替えている。アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」は0.9%減の6万2827台と3ヵ月連続で減少したものの、下げ幅を縮小させた。リンカーンは19.6%増の8134台となり、3ヵ月ぶりに増加した。

フィアット・クライスラー・オートモビルは、5.8%増の18万9027台だった。前年比プラスは61ヵ月連続であり、単月ベースでは2007年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、3ブランドが前年比プラス。2−3月に続いた。クライスラーが26%増の2万7704台と、単月では2年ぶりの高水準となる。ジープは20%増の7万1759台と、3月に続き単月で史上最高を更新した。ラムは4%増の4万864台となり、単月では2005年以来で最高を遂げた。一方で、ドッジは16%減の4万4906台。フィアットも13%減の3756台と、それぞれ3ヵ月連続でマイナスを示した。

日本車では、トヨタが前年同月比1.8%増の22万5959台で市場予想の5.9%増以下にとどまった。ブランド別では、トヨタが0.5%増の17万7453台。「カローラ」が10%増、「RAV4」が22%増と支えている。レクサスは11.7%増の2万5786台だった。

日産は5.7%増の10万9848台となった。ブランド別では日産が5.4%増の9万9869台ながら、過去2番目の高水準を遂げている。SUV/トラック部門の「ローグ」のほか「ムラノ」、「ローグ」が押し上げ4月単月では23.7%増となり、3月に続きクロスオーバーは過去最高をマークした。インフィニティは8.8%増の9979台だった。

ホンダは1.8%減の13万68台だった。ブランド別ではホンダが2.7%減の11万1594台となり、3月に続きセダンが弱くSUVの「CR-V」が過去最高を達成だった分を相殺している。アキュラは5.3%増の1万4874台で、5ヵ月ぶりに減少した3月からプラス圏を回復した。

4月版:自動車メーカー別のシェアの1位はGMで2位はフォード、3位にトヨタ。

USA auto sales market share chart April 2015
(出所:Good Car Bad Car)

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)

1位 メルセデス・ベンツ
13.0%増の3万1952台、3月にBMWに奪われた王座を奪回し年初から3回目のトップに君臨した。1−4月期でも9.6%増の11万5667台で、首位を維持。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。
2位 BMW
6.9%増の2万6592台、3月の首位から陥落。1−4月期では8.1%増の10万5444台で2位を保つ。2014年では1位、2013年は2位だった。
3位 レクサス
11.7%増の2万5876台、前月と同じく3位。1−4月期では16.8%増の10万3056台。2011年まで11年間連続で首位を飾っていた。

4位 ビュイック(GM)
5.2%減の1万8224台、前月と同じく4位。1−4月期では4.7%減の6万8721台。
5位 アウディ(VW)
7.5%増の1万6827台、前月と同じく5位から急浮上。1−4月期では11.9%増の5万6925台。
6位 キャデラック
13.7%増の1万5801台、前月の7位から浮上。1−4月期では1.0%減の5万2976台。

7位 アキュラ
5.3%増の1万4874台、前月の6位から転落。1−4月期では4.7%増の5万4518台。
8位 インフィニティ
8.8%増の9979台、前月と同じく8位。1−4月期では8.5%増の4万3821台。

その他の海外メーカーではアウディを除くVWが2.7%減の3万9台と、3ヵ月連続で減少した。ヒュンダイは2.9%増の6万8009台と5ヵ月連続でプラスを示し、市場予想を下回ったものの単月で最高だった。

▽4月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 カムリ(トヨタ)10.4%減の3万4066台、前月も1位
2位 カローラ(トヨタ)10.1%増の3万1990台、前月も2位
3位 シビック(ホンダ)2.8%増の2万8380台、前月は6位
4位 アコード(ホンダ)20.1%減の2万7251台、前月は7位
5位 フュージョン(フォード) 5.6%減の2万4954台、前月は4位
6位 アルティマ(日産)11.6%減の2万2108台、前月は3位
7位 エラントラ(ヒュンダイ)8.3%増の2万1911台、前月は5位
8位 クルーズ(シボレー・GM)3.7%減の2万947台、前月も8位
9位 クライスラー200(フィアットクライスラー)348%増の1万8850台、前月は11位
10位 フォーカス(フォード)5.3%減の1万8100台

(カバー写真:Car and Driver)

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