rba

オーストラリアが追加利下げ、緩和バイアスは削除

by • May 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2368

Has RBA Put A Period On Easing Cycle?

豪準備銀行(RBA)は、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を市場予想通り25bpに引き下げ2.0%に設定した。2月に続き年内2回目の利下げを行った結果、過去最低の水準となる。

声明文では、利下げが「インフレ見通しが追加緩和の機会を与え、足元で広がりつつある心強い家計需要トレンドを支える」との認識を表明した。低インフレのほか、「鋼業および非鋼業セクターで企業の設備投資が民間の需要を押し下げる」ことから、追加緩和に踏み切ったとも説明。中国の需要が減退するなか同国の輸出品である鉄鉱石が約10年ぶりの低水準を示現していたため、特に鋼業セクターを中心とした設備投資の縮小に配慮したとみられる。

豪ドルをめぐっては、Fedが年内の利上げを目指す上に商品価格が下落する公算が大きく「豪ドルはさらに下落する可能性が高く必然的」との見解を示した。足元で豪ドルが持ち直すなか、一段の上昇をけん制した格好だ。

追加緩和を行ったものの、緩和バイアスを削除。家計支出の改善に加え足元6ヵ月間にわたる力強い雇用指標を背景に「追加利下げは適切(a further reduction in the cash rate was appropriate)」との文言を取り外した。

HSBCのオセアニア部門の主席エコノミスト、ポール・ブロクサム氏は「予想以上にアップビートな声明文だった。今後は年内いっぱい金利を据え置き、利下げの効果を見極めていくのではないか」と振り返る。RBSのグレッグ・ギブス氏も「RBAは利下げ追加利下げの可能性は小さい」とコメントした。

キャピタル・エコノミクスの豪・NZ主席エコノミストのポール・デールズ氏は、両者と意見を異にしている。コモディティ輸出減少の影響が時間差を伴って実現すると考えられ、「成長率は2014年の2.7%から今年に1.8%へ減速する公算」と予想。インフレが軟調な推移を続ける可能性もあり「年末までに1.5%まで引き下げる」と予想した。

——中国4月製造業PMIなどの数字が景気改善を示さなかったものの、声明文は緩和バイアスを削除しており軸足は中立へ移ったようです。豪ドルも利下げサイクルの終了を見込み、買い戻しで反応。7日発表の経済見通しで声明文に合わせた明るい内容が示せば、年内据え置きの見方へ傾くことになるのでしょう。

(カバー写真:The Cointelegraph)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.