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5日の決算ラウンドアップ:ディズニー、オフィス・デポ、ADM、スプリント

by • May 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2670

Earnings Roundup : Disney, Office Depot, Archer Daniels Midland, Sprint.

5日に発表された決算を振り返ります。ディズニー以外は売上が予想以下に終わり、オフィス・デポ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドはそろって売りで反応しています。スプリントも、加入者数の増加を確認したとはいえ値引きが収入を抑えたことが嫌気されました。

▽ディズニー

メディア・娯楽大手が発表した1−3月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比14%増の21億800万ドルだった。希薄後の純利益は18%増の1.23ドル。特殊項目を除く調整済み1株当たり利益も11%増の1.23ドルで、市場予想の1.10ドルより強い。収入は8%増の124億6100万ドルで、市場予想の123億ドルを上回った。フリーキャッシュフローは21%増の20億1100万ドルとなる。株価は、一時0.5%上昇した。

収入の部門別動向は以下の通りで、%は前年比。

>メディア・ネットワークス(ABC、ESPN、ディズニーチャンネルなど)
収入は13%増の58億1000万ドル、営業利益は2%減の21億100万ドル、NCAA放映権、NFLのプレーオフ放映権などのコスト拡大でESPNが利益を圧迫

>パークス・アンド・リゾーツ(ディズニーランド関連)
収入は6%増の37億6000万ドル、営業利益は24%増の5億6600万ドル、米国内が海外部門の不振を相殺、入場者数の増加と支出額の拡大が人件費の増加などといったコスト負担を打ち消す、入場料の引き上げも貢献

>スタジオ・エンターテイメント(映画)
収入は6%減の16億8500万ドル、営業利益は10%減の4億2700万ドル、映画「シンデレラ」の興行成績は4億9500万ドルだったものの、メガヒット映画「フローズン」と比較すると格下

>消費者向けプロダクト(関連グッズ販売)
収入は10%増の9億7100万ドル、営業利益は32%増の3億6200万ドル、映画「アナと雪の女王」の関連グッズやライセンス手数料がけん引したほか映画「アベンジャーズ」関連も寄与

>インタラクティブ(ゲーム関連)
収入は12%減の2億3500万ドル、営業利益は86%増の2600万ドル

同社は5月、映画「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」を公開し、前週末に1億9130万ドルの興行成績を叩き出し歴代2位の滑り出しを飾った。また、夏にはピクサーが2年ぶりに送る新作「インサイド・ヘッド」、マーベルから「アントマン(」を予定。年末には、買収後初めてルーカスフィルムから待望の「スター・ウォーズ:ザ・フォース・アウェイクンズ」を控える。

スター・ウォーズ最新作は、12月公開予定。
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(出所:Vanity Fair)

▽オフィス・デポ

オフィス関連小売が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が4500万ドルだった。前年同期の1億900万ドルの赤字から、黒字へ転換している。調整済み1株当たり利益は0.13ドルで、市場予想と一致。営業利益は8800万ドルとなり、前年同期の7900万ドルの赤字から黒字へ転換した。売上高は11%減の38億7700万ドルとなり、市場予想の41億ドルを下回った。業績を嫌気し、一時1.0%落ち込んだ。

売上の動向をみると、主力の北米の売上が8.7%減の16億5300万ドル。1−3月期に20店舗を閉鎖した影響を反映しており、既存店売上高は2%減だった。北米部門のビジネス・ソリューションズは4.1%減の14億7700万ドル。為替変動を除くベースは、3%減となる。海外の売上は20.2%減の7億4700万ドル。為替変動を除くベースでは、7%減に縮小した。

2015年の売上は、引き続き前年比割れを予想。店舗閉鎖や為替差損に加え、業界1位のステープルとの合併につき米当局から未承認で統合作業が中断されている事情を挙げた。合併は、年末に終了する見通しだという。店舗閉鎖数は2015年に135、2016年に100店舗を目指す。

▽アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド

穀物メジャーが発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比84.6%増の4億9300万ドルだった。調整済みの1株当たり利益は0.77ドルと、市場予想の0.71ドルより強い。利益率の改善を通じ、増益につなげている。売上高は15.3%減の174億1000万ドルとなり、市場予想の205億8000万ドルに遠く及ばなかった。

部門別の営業利益動向をみると、農業サービス部門は36.6%増の1億9400万ドル、油種加工部門は57.9%増の4億6900万ドル、香料・特殊原料部門は17.2%増の6800万ドルだった。一方、エタノールの生産量減少と原油安に伴う利益率の低下を背景にコーン加工部門は39.2%減の1億1300万ドルとなった。売上の落ち込みを意識し、株価は一時0.4%売られた。

▽スプリント

ソフトバンク傘下の通信大手が発表した1−3月(第4四半期)決算では、純損失は前年同期比48.3%増の2億2400万ドルだった。希薄後の1株当たり損失は0.06ドルで、市場予想と一致。総営業収入は6.7%減の82億8200万ドルとなり、市場予想の84億3000万ドルを下回った。顧客獲得を狙った積極的な値下げにより大幅減収を迎えている。

加入者数は120万人増の5710万人。前年同期の38.3万人減から増加に転じたおかげで、Tモバイルをからくも破り業界3位の地位を確保した。加入者数の増加のうち、2年契約などを含む通常形態の料金後納プラン利用者数は21.1万人増となり前年同期の23.1万人減から増加に転じている。プリペイド利用者数は54.6万人増だった。料金後納プランの解約率は1.84%と、前年同期の2.3%から大幅に改善した。

加入者数の増加、解約率の低下といった朗報の陰でアナリストはフリー・キャッシュ・フローの大幅減少に警鐘を鳴らす。モフェットナサンソン・リサーチの クレイグ・モフェット氏は、「1−3月期に9億1400万ドル引き出した」と指摘。このままのペースでいけば「2016年に予定する600Mhzインセンティブ・オークション、および社債償還を控えキャッシュが枯渇しかねない」と警鐘を鳴らした。加入者数で切り返しをみせるものの、親会社ソフトバンクの苦悩は続く。株価は一時3.5%沈んだ。

(カバー写真:Mark Lennihan/AP)

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