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6日の決算ラウンドアップ②:テスラ、ジンガ、ホールフーズ、GMCR

by • May 6, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2738

Earnings Roundup : Tesla, Zynga, Whole Foods, Keurig Green Mountain.

6日引け後の決算をおさらいしていきます。テスラは費用が拡大していたものの、販売台数が事前発表を上回ったほか粗利益率も上昇し買いで反応しました。ジンガはアクティブ・ユーザー数の前年比割れを、売上高や人員削減計画がカバーし急伸。ホールフーズ・マーケットは既存店売上高、キューリグ・グリーンマウンテンは売上と見通しが重しとなっています。

▽テスラ

電気自動車(EV)が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純損失が前年同期比43.3%増の1億5420万ドルだった。1株当たり純損失は41.9%増の1.22ドル。ドル高の影響で、2200万ドル押し下げられたという。一時項目や株式報酬を除く調整済み1株当たり損失は0.36ドルと、市場予想の0.52ドルより小さい。売上高は51.4%増の9億3990万ドル。調整済み売上高は54.8%増の11億360万ドルで、市場予想の10億4000万ドルから拡大した。なお2014年10−12月期の決算発表時の2月、ドル高の為替差損を補うため各通貨の下落率に対し5割の値上げを発表していた。粗利益率は調整済みベースで27.7%となり、目標値の26%超えを達成。2014年10−12月期の26.7%、これまでの最高である2014年4−6月期の26.8%も上抜けていった。時間外取引で、株価は一時2%近く上昇した。

キーファクターは、以下の通り。

▽1−3月期実績
・販売台数は1万45台、4月発表時の1万30台を小幅に上回り過去最高
・2014年11月に販売を開始した全輪駆動車および部分的オートパイロット(自動操縦)搭載の”モデル S 85D ”、”モデル S 70D”が寄与
・北米と欧州が売上に貢献、中国では課題残すも改善の兆し
・生産台数は1万1160台、同社目標値を10%上回り週当たり1000台以上のペース
”モデル S”の認定中古車販売を開始

・営業費用は82.1%増の3億6520万ドル、前期比7.7%増と同社予想の12−15%増以下に
・販促/一般管理費用は66.2%増の1億9540万ドルながら、前期比0.8%減
・研究開発費は105.0%増の1億6720万ドル、前期比19.8%増、オートパイロット(自動操縦)搭載の”モデルS”、”モデルX”向け支出増加を反映
・設備投資は3倍増の4億2610万ドル、前期比15.6%増
・キャッシュフローは15億ドル、2014年10−12月期の19億ドルおよび前年同期の24億ドル以下に

一般家庭/法人/電力会社受けに蓄電池”テスラ・エナジー”を発表。家庭向けの据え置き型蓄電池”パワーウォール”は日本の一般家庭の1日当たり消費電力に相当する10kWhモデルが3500ドル(約42万円)、7kWhで3000ドル(約36万円)、既存メーカーの半分以下という割安な設定で今夏に出荷開始。

パワーウォール、白以外も黒、グレー、赤なども取り揃えています。
tesla-models-powerwall@2x
(出所:Tesla)

>見通し
・4−6月期の生産台数は前期比12%増の1万2500台
・出荷台数は1万〜1万1000台でドル高を反映、2015年通期目標を達成するには下半期に約1万7000台必要
・欧州で”モデル S”の価格を5%引き上げ、ドル高に対応
・4−6月期の粗利益率は25%、ドル高の影響を考慮

・2015年の設備投資は15億ドルで維持
・スポーツ多目的車(SUV)の”モデル X”、出荷は7−9月期の終盤へ
・2015年の”モデルS”と”モデルX”の販売台数目標は、5万5000台で据え置き
・ギガファクトリーでの燃料電池生産は2016年開始で維持

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4月30日に発表した”テスラ・エナジー”に対し、「需要は旺盛」と発言し建設中の”ギガファクトリー”での生産能力拡大を検討中と明かした。発表から1週間も経過していないにも関わらず、3万8000件もの予約注文を受けたという。

▽ジンガ

オンライン・ゲーム開発大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純損失が前年同期比24.1%減の4650万ドルだった。調整済み1株当たり損失は0.01ドルと、市場予想の0.02ドルより小さい。売上高は9.1%増の1億8330万ドルとなり、市場予想の1億6800万ドルを上回った。ゲーム内の仮想グッズや広告の販売総額を指すブッキング売上高は1億6740万ドルで、市場予想の1億4920万ドルを大きく超えた。

ブッキングが市場予想を上回った半面、1日当たりのアクティブ・ユーザー数は2500万人と前年同期の2800万人以下にとどまる。月当たりのアクティブ・ユーザー数も1億人となり、前年同期の1億1900万人を下回った。

4−6月期の売上高は、1億7500万〜1億9000万ドルを見込む。純損失は5400万〜5000万ドル、調整済み1株当たり損失は0.02ドルで市場予想と一致した。 決算に合わせ、従業員を18%削減させる方針を発表。時間外取引で、株価は一時6.5%も急伸した。なおジンガでは4月にドン・マトリック最高経営責任者(CEO)が退任し、創業者であり会長のマーク・ピンカス氏が返り咲いた。

▽ホールフーズ・マーケット

オーガニック系スーパーマーケット大手が発表した1−3月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比11.3%増の1億5800万ドルだった。調整済み1株当たり利益が0.43ドルと、市場予想と一致。売上高は36億4700万ドルで、市場予想の37億1000万ドル以下にとどまる。既存店売上高は3.6%増となり、市場予想の5.3%増を大幅に下回った。

2015年度(2015年9月末終了)見通しは、据え置いた。売上高は9%増、既存店売上高は9〜10%増を見込む。売上高が予想以下だったほか、既存店売上高見通しを据え置いた割に1−3月期の結果が惨憺たる内容で、時間外取引にて株価は一時11%も急落した。

▽キューリグ・グリーンマウンテン

1杯用飲料メーカーの1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比3.7%減の1億5550万ドルだった。再編費用など特殊項目を除く1株当たり利益は1.03ドルで、同社予想の1.0〜1.05ドルの中央値に並ぶ。売上高は2.7%増の11億2710万ドルとなり、市場予想の11億5000万ドルに届かなかった。加熱時の火傷問題などもあり飲料メーカーそのもの販売が鈍化した分をポッドが補っている。

4−6月期の売上高は0〜5%増を見込み、市場予想の10%を下回った。1株当たり利益は0.75〜0.80ドルとし、こちらもアナリスト予想平均の1.08ドルに届かなかった。

2015年は、売上高につき0〜5%減を予想。従来の5〜10%増から下方修正しており、為替差損を挙げている。1株当たり利益での為替差損も0.15ドルとし、従来の0.14ドルから引き上げた。売上と見通しを嫌気し、株価は一時11%近くも急落した。

(カバー写真 : Benzinga)

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