Earnings Roundup : Hewlett Packard, Gap.
21日引け後に発表されたヒューレット・パッカード、ギャップをお届けします。HPは利益が予想以上・売上が予想以下とまちまちながら、5−7月期の見通しや中国子会社の株式売却も手伝い時間外取引で上昇。ギャップは速報値通り、H&Mなどのファスト・ファッションとの競争に加えドル高が打撃となり残念な結果に終わりました。
▽ヒューレット・パッカード
テクノロジー大手が発表した2 —4月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比20.5%減の10億1000 万ドルだった。再編や分社化、買収関連費用などの特別項目を除いた1株当たり利益は0.87ドルで、市場予想の0.85ドルより強い。売上高は6.8%減 の254億5000万ドルながら、 市場予想の256億4000万 ドルを下回った。為替差損を除いた場合は、2%減に縮小する。
売上の内訳をみると、ヒューレッ ト・パッカード・エンタープライズ(HPE)部門および金融部門などは5.5% 減の262億7000万ドル。同部門は、ハードウェアやソフトウェア、コンサルティングを含む法人向け製品・ サービスを手掛ける。一方で、パソコンとプリンター 事業で構成されるHPインクは5.8%減の131億 9300万ドルだった。ラップトップの売上が19%増だったものの、デスクトップが14%減と落ち込み足を引っ張った。
2015年度(同年10月末終了)は、調整済み1株当たり見通しを3.53〜3.73ドルで維持した。前期にドル高に伴う押し下げ圧力を考慮し、当初予想から0.30ドル引き下げ済みである。 5−7月期の調整済み1株当たり利益は0.83〜0.87ドルを見込み、レンジ上限が市場予想に並んだ。まちまちな決算内容だったものの見通しが市場予想通りだったこともあり、時間外取引では一時1.2%上昇した。
同社は決算発表に合わせ事前報道通り、中国の清華大学が出資する清華大学企業集団(清華ホールディングス)に同国の杭州華三通信技術(H3Cテクノロジーズ)を含む新会社の株式51%を売却すると発表した。なおHPは2014年10月、成長源と位置づける法人向け ハードウエア・サービス事業を ヒューレット・パッカード・エ ンタープライズ、パソコン・プリン ターはHPインクとして分社化する方針を発表した。
▽ギャップ
服飾ブランド大手が発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比8.1%減の2億3900万ドルだった。為替差損の影響は、3%としている。希薄後の1株当たり利益は0.56ドルで、市場予想と一致。 売上高は3.1%減の36億6000万ドルとなり、市場予想の37億ドルを下回った。為替差損を除くベースでは1%縮小。ドル高により、9000万ドル押し下げられた。速報値の通り、対円や対加ドルでのドル高を理由に挙げている。既存店売上高は4%減となり、前年同期比1%減から下げ幅を拡大。オンライン売上高は、2.1%減の5億6300万ドルだった。
既存店売上高は、以下の要通り。格安ブランドのオールド・ネイビーが健闘するのみで、他は惨敗だった。
>ギャップ
売上高 9.3%減の13億800万ドル 既存店売上高 10%減<前年同期は5%減
>バナナ・リパブリック
売上高 7.2%減の6億6900万ドル、既存店売上高 8%減<前年同期は1%減
>オールド・ネイビー 売上高 4.8%増の14億8100万ドル、既存店売上高 3%増>前年同期は1%増
他ブランドと同じくアジア系モデルを積極的に活用も、売上につながるか。
(出所:Banana Republic)
国・地域別では、以下の通り。主力の米国が落ち込んだほかカナダ、欧州が弱い。アジアは対円でのドル高が響いたものの、増加を示した。
>米国(売上の77%) 2.8 %減の28億2800万ドル
>カナダ(売上の6%) 4.7%減の2億2400万ドル
>欧州(売上の5%) 19.2%減の1億8100万ドル
>アジア(売上の10%) 1.1%増の3億5100万ドル
>その他(売上の2%) 27.8%増の6900万ドル
2015年度(2016年1月末終了)の1株当たり利益見通しは2.75〜2.80ドルで据え置き、市場予想の2.78ドルとほぼ一致した。時間外取引で、株価は一時0.3%下落した。
(カバー写真:Tweak Town)
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