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メイシーズの2−4月期決算は予想以下、ギャップも不振続く

by • May 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2437

Macy’s 1Q Hit by Port Disruption, Winter Weather, And Strong Dollar.

メイシーズが発表した2−4月決算は、大寒波と西海岸の港湾労働者ストライキに加えドル高という三重苦に屈し市場予想以下となりました。先日発表されたギャップの4月既存店売上高および1−3月期決算速報値も、春を迎えた様子はみられず。ドル高が売上高を押し下げ、アナリスト予想平均に届いていません。

▽メイシーズ

百貨店大手が13日に発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比13.8%減の1億9300万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.56ドルで、市場予想の0.62ドルより弱い。売上高が0.7%減の62億3200万ドルとなり、市場予想の63億1000万ドルを下回った。既存店売上高が0.1%減となっている。

テリー・ランドグレン最高経営責任者(CEO)は、「西海岸の港湾労働者ストライキにより商品の出荷が遅れた上に、悪天候が客足を抑えた」と指摘。ドル高も悪材料となっており、「メイシーズやブルーミングデールといった旗艦店における海外観光客の支出鈍化」を挙げている。

販売・一般管理費は0.1%増の24億3200万ドル。もっとも粗利益率は39.0%と、前年同期の38.9%から若干上昇した。

2015年度(2016年1月終了)の1株当たり利益は4.70〜4.80ドルで維持。決算に合わせ、自社株買いプログラムを15億ドル引き上げる方針を発表した。

同社は年初に10 店舗以上を閉鎖する方針を表明し、年内の節減計画目標を1億4000万ドルと掲げた。その上で、テクノロジー投資に振り向けつつ医療保険や定年退職向け支出の費用増加を相殺させるという。前週には、ディスカウント店舗に参入する計画も発表。名称は「メイシーズ・バックステージ」とし、ニューヨーク市で今年の秋に4店舗オープンさせるという。平均面積は、3万平方スクエア・フィート(約860坪)になる見通しだ。

競争が激化するディスカウント店で、巻き返しなるか?
Macy's
(出所:John Raoux /AP)

▽ギャップ

カジュアル服飾小売大手が11日引け後に発表した4月既存店売上高は前年同月比15%減となり、市場予想の7.2%減より下げ幅を広げた。イースター休暇が前年より前倒しとなったことが一因。ドル高の余波にも、抗えなかった。ブランド別動向は、以下の通り。

・ギャップ 15%減<前年同期は3%増
・バナナ・リパブリック 15%減<前年同期は7%減
・オールド・ネイビー 6%減<前年同期は7%増

2−4月期の売上高は前年同期比3%減の36億6000万ドルとし、市場予想の37億6000万ドルを下回った。対円や対加ドルでのドル高により9000万ドル押し下げられたという。2−4月期の1株当たり利益は税制上の押し上げ効果0.02ドルを含み0.55〜0.56ドルとし、市場予想の0.54ドルを上回った。同社の決算発表は、5月21日に予定する。

——米4月小売売上高が春の到来を告げなかったように、小売セクターの一角にとって未だ長い冬が続いているかのようです。米4月雇用統計で引き続き管理職と非管理職・生産労働者との賃金格差を確認するほか、足元でガソリン価格が上昇に転じており、消費者の財布の紐が春の陽気にほだされ緩む気配はみられません。

(カバー写真:Reuters)

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