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西海岸の港湾労働者ストは暫定合意で決着も、問題は山積み

by • February 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off7413

West Coast Ports Begin Working On Cargo Backlog, May Take A Few Months To Clear.

米西海岸の港湾施設を管理する太平洋海事教会(PMA)と国際港湾倉庫労働組合(ILWU)は20日夜、9ヵ月に及ぶ労使交渉で暫定合意してひとまず決着を迎えました。ホワイトハウスが満を持して派遣したペレス労働長官は、暫定合意を受け通常通りの操業が再開されると発言。10日以上におよぶ港湾施設の閉鎖などといった最悪シナリオは、回避されました。ただし港湾施設に積み上げられた貨物がいつ捌けるかは「不透明」と漏らしています。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙も、ロサンゼルス港とロングビーチ港で入港待ちの貨物船数は20日時点の27隻から31隻に増加し、24隻が沖合で待機中あるいは港に向かっていると伝えていました。CNBCに出演したロングビーチ港のジョン・スランガラップ最高経営責任者(CEO)も、「積み荷は驚くほどの水準に達している」と指摘。暫定合意に達した翌日の21日夜から22日にかけ急ピッチで処理を急いでいるものの、貨物処理の優先事項は海運業者と発注先の決断に基づくため港湾側は決定に従うだけだといいます。他の関係者は、積み荷処理に「6−8週間要する」とのコメントも寄せていました。つまり、2ヵ月を要する見通しです。

ホンダの広報担当であるマーク・モリソン氏は21日、労使交渉の暫定合意を歓迎し「オハイオ州の工場では23日週にも通常運転が再開されるだろう」との見通しを表明。そうはいってもすぐにフル稼働とはいかず、カナダやインディアナ州では3月2日まで減産体制が続くといいます。また港湾労働者ストライキの余波で出荷の遅れで2月は2万5000台相当の自動車に影響を与えたとも明らかにしていました。その他、日本車メーカーではトヨタやスバルなども打撃を受けたものです。

せっかく港湾施設がフル稼働しても問題が簡単に片付くはずもなく、むしろ山積みといった状況。大寒波の影響は米北東部や米中西部に偏っており2014年1−3月期GDPのようにマイナスヘ沈むリスクは低いとされていますが、西海岸の港湾労働者ストの余波がどこまで業績を景気を押し下げるかにも、注意が必要です。

(カバー写真:Corey Templeton/Consumerist)

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