Fischer Signals Rate-Hike Again, Foreign Growth Is Also On Focus.
フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は26日、あらためてマーケットに年内利上げのシグナルを送った。2月末とは異なり、利上げ時期について明言を避けたものの「マーケットは利上げの開始時期やペースをめぐり驚くべきではない」と発言。利上げに備えるよう促し、イエレンFRB議長による5月6日の講演と歩調を合わせ「債券市場のボラティリティを高めかねない」と注意を促した。ただし「米国での政策正常化は、エマージング市場経済にとって管理可能なものとなる」とも付け加え、利上げ過程では「世界全体への影響を念頭に入れる」と強調。海外の動向次第では、利上げペースが一段と緩やかになる可能性を点灯させた。また「米経済は、その他各国と互いに強く影響し合っている」と発言。その上で、「政策の選択肢を理路整然たるものとすべく、こうした相互関係を考慮しなければいけない」と述べた。同副議長は別の講演にて、FF金利誘導目標が向こう3〜4年で「3.25〜4%」に達するとも予想した。
——イエレンFRB議長が5月22日に年内利上げの姿勢をあらためて打ち出して早々、フィッシャーFRB副議長もマーケットに利上げへの準備を求めてきました。仮に米4−6月期国内総生産(GDP)がアトランタ連銀の予想に反し3%近くまで回復し、インフレも米4月消費者物価指数のように改善が進み、米4月雇用統計のペースで就業者数が伸びていけば、「9月」という選択肢が浮かび上がってきます。マーケットが12月利上げ開始への見方を固めていくなかで、冷や水を浴びせてきました。安穏と構えるマーケットに喝を入れたフィッシャーFRB副議長やイエレンFRB議長の脳裏には、9月というカードが残っているかのようです。ツートップそろって、ハト派寄りのシカゴ連銀総裁と一線を画し自然失業率の話題にほとんど触れていない点も注目。マーケットに利上げ先送り観測を促す隙を与えておらず、ドル高→米金利上昇を背景に米株が調整色を帯びて来てもおかしくありません。
手始めに本日は、米株相場は3指数そろって1%以上も下落して引け。ダウ平均は50日移動平均線だけでなく一時は約2週間ぶりに18000ドル割れを示現し、S&P500とナスダックもそろって約2週間ぶりの安値で取引を終えています。
(カバー写真:Joshua Roberts/Reuters)
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