Jobless Claims Can Be Very Volatile After Amazon Hires And Flooding In The South.
米新規失業保険申請件数という文字を見ると、今週もあと2日とホッとしますよね。
サンフランシスコ連銀が指摘するように米1−3月期GDPでも何かと話題の季節調整の関係で振れが激しくなるもの、ご愛嬌。最近ではリセッション前の水準まで回復するどころか約15年ぶりの水準まで回復し、数字だけみると労働市場からは過熱感すら伝わってきます。
その米新規失業保険申請件数、今週分や来週以降を含む数週間で変動が一段と激しくなる可能性が浮上してきました。
ひとつに、アマゾンが挙げられます。オンライン小売大手は、注文発送センター向けにフルタイムの従業員を新規採用する計画を発表しました。その数、全米で約6000人！ニュージャージー州、コネチカット州とニューヨーク州以外のトライステートのほか、ペンシルベニア州、バージニア州、テネシー州、テキサス州、ケンタッキー州、ウィスコンシン州、インディアナ州、デルウェア州、サウスカロライナ州などが対象となります。オンライン注文の需要拡大に備えるためとあって、株価は27日に1.4％高で引けました。同社はプライム会員を対象とした注文から1時間で商品をお届けするサービスに、イタリア料理関連のグルメスポット”イータリー”やスーパーのディアゴスティーノなどローカル店舗との提携を通じ実現した食料品デリバリーを追加したものの、NYは新規採用外れていました。ちなみに注文手数料は、7.99ドル（約980円）也。
春の書き入れ時に大量採用に踏み切ったホーム・デポより1桁少ないとはいえ、米新規失業保険申請件数を減少させるに違いありません。
もうひとつは、メキシコ湾岸で発生した豪雨・大洪水です。CNNによると、竜巻にまで直撃されたため死亡者は27日時点にてテキサス州で13人、オクラホマ州で6人、国をまたいだメキシコ北部では14人と合計33人に及び、行方不明者は14名を数えます。2008年に襲ったハリケーン”アイク”でも洪水が発生しなかったというのに、全米で4番目の大都市テキサス州ヒューストンで降雨量は11インチ（約28cm）に達しました。被害にあった住宅は、約4000軒の住宅に及びます。住民以外ではNBAプレーオフに進出するヒューストン・ロケッツの試合を観に来たファンが25日、約1000人も足止めを食らってしまいました。
テキサス州ヒューストン、ダラス、オースティンのほかオクラホマ州に広がります。
（出所：The Weather Channel）
高速道路での冠水、うち捨てられたSUVの窓近くに達する有様。
避難所では、寄付された衣服が山のように並ぶ。
（出所：Getty Images via The Weather Channel）
さらに27日の時点で、被害地域に追い討ちをかけるように大雨予報が出ています。電話回線やネットの復旧は進まず、労働局に出向いて失業保険を申請することもできず。天災に見舞われたテキサス州やオクラホマ州などは、米新規失業保険申請件数に下方圧力を加えると考えられます。逆に数週間後には、申請ができなかった方々や洪水で職を失ってしまった方々などで急増しかねません。
2014年に続き今年はハリケーン当たり年となる見通しは低いものの、天災は予報が極めて難しい。ニューヨークでも大雨でハリケーン”サンディ”がまざまざと見せつけてくれたようにイースト・リバーやハドソン・リバーが氾濫する恐れもあり、他人事ではありません。
（カバー写真：Rodolfo Gonzalez/Austin American-Statesman via The Dallas Morning News）
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