ADP Private Sector Job Growth Solidifies After 5-Month Slide.
米5月ADP全国雇用者数は前月比20.1万人増となり、市場予想の20.0万人増を若干上回った。前月の16.5万人増(16.9万人増から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりに20万人の大台を取り戻している。2010年2月以来の増加トレンドも維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、5ヵ月連続で前月比割れを経て増加に反転。
(出所:ADP)
内訳は、以下の通り。
▽企業規模別
中小企業 18.7万人増、増加トレンドを維持>前月は16.2万人増
大企業 1.3万人増、6ヵ月連続で増加>前月は0.3万人増
▽業種別
サービス業 19.2万人増、5ヵ月ぶり高水準>前月は16.4万人増
(米5月ISM非製造業景況指数の雇用は55.7へ低下、前月は57.8と6ヵ月ぶりの高水準)
・貿易/輸送/公益 5.6万人増>前月は4.1万人増
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 2.8万人増<前月は3.5万人増
・金融 1.2万人増、3ヵ月ぶり高水準>前月は0.6万人増
財生産業 0.9万人増<前月は0.1万人増
(米5月ISM製造業景況指数の雇用は2013年4月以来の分岐点割れを示した前月の49.5から、51.7へ上昇)
・製造業 0.5万人減、3ヵ月連続で減少>前月は0.8万人減、2010年1月以来で最大の減少幅
・建設 2.7万人増>前月は2.4万人増
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「労働市場は堅調で、過去2年間の平均値に近い伸びを示した」と評価した。このままのペースを維持すれば「2016年の今ごろには、最大限の雇用を達成できる見通し」と指摘。問題点があるならば、「原油安とドル高」の影響を受けた鋼業セクターのみとも付け加えた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、今回の結果に対し「ADP全国雇用者数は1−3月期の弱い成長から回復を遂げるという当方の見方と整合的」と振り返った。その上で、同氏の米5月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の予想を22.5万人増、民間就労者数は22.0万人増とした。ブルームバーグでの米4月雇用統計・NFP予想は、22万人増である。
——米5月ADP全国雇用者数は3ヵ月ぶりに20万件台を回復し、米5月雇用統計・NFPも巡航速度での伸びが期待されます。一方で9月利上げ観測の高まりに合わせ米金利が上昇トレンドへ戻せば、米株への影響は無視できず。「北野誠のFXやったるで!」でお伝えしたようにマーケットでは「June swoon」が囁かれるなか、本日の米株高を維持できるか試されます。
(カバー写真 : COD Newsroom/Flickr)
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