Wage Growth For Nonsupervisory Employees Remains Moderate.
米5月雇用統計での時間当たり賃金において、前年比は2.3%の上昇を遂げました。2013年夏場以来の水準へ上振れしており、消費拡大への期待を募らせます。
その一方で詳細は、引き続き管理職を含む全従業員と生産労働者・非管理職との間では賃金の伸びにかい離が残ります。
▽生産労働者・非管理職の時間当たり賃金
前月比0.3%増の20.97ドル(約2620円)=全従業員は0.3%増
前年比は2.04%<全従業員の2.3%
▽週当たり賃金
全従業員は前月比で0.3%増の861.12ドル(約10万760円)と、2ヵ月連続で増加。前年比でも2.3%増と、4月の2.2%増を上回った。
生産労働者・非管理職の週当たり賃金の場合は前月比0.6%増の706.69ドル(約8万8330円)。3ヵ月ぶりに増加に転じた。前年比では2.0%増となり、4月の1.9%増を上回る。ただし、全従業員の2.3%には届かなかった。
賃金動向は、引き続き格差を裏打ちする内容でした。米5月新車販売台数でスポーツ多目的車(SUV)や高級車、景気回復に合わせトラックがけん引し約10年ぶりの高水準を達成したものの、自動車ローン期間が過去最長となるはずです。MBA住宅ローン申請件数指数も金利上昇に合わせて鈍化の兆しをみせたのも、賃金見通しに懐疑的な潜在購入者のスタンスが伺えます。最新のベージュブックでも強弱ミックスであり、米5月雇用統計だけで米経済が勢いを取り戻したと判断するのは早計と言えるでしょう。
(カバー写真:castgen/Flickr)
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