World’s Biggest Employer Goes To..
世界の人口は、70億人を超えさらに増加中。人口拡大の陰で先進国を中心に自動化・コンピューター化が進み、景気回復サイクルでも人材削減を決断する企業が後を絶ちません。JPモルガンは5570支店の一方、2016年までに5000人のリストラを実施すると発表。ギャップも向こう2〜3年で北米の約175店舗を閉鎖するとともに、ざっと250人の人員削減に踏み切る方針を明らかにしました。
テクノロジーの発展、産業構造の変化、ニーズの多様化に伴い、求められる人材が異なるのは致し方ありません。旧来型サービス業が廃れていく一方、ITをはじめソーシャルメディアやバイオテクノロジーなど、新たな分野で活躍する人々が増えているのも事実。逆に刻々と移り変わる時代の流れに飲み込まれることなく、世界で人材を最も多く抱える雇い主はどんな顔ぶれなのでしょうか。
世界経済フォーラムのブログによると、トップ10は以下の通り。
やはりと言うべきか、1位と2位は人材資源が要を成す軍が制覇しています。1位を獲得した世界の警察たる米軍は320万人で、横浜市の人口をやや下回る規模に及びました。映画「アメリカン・スナイパー」、「ゼロ・ダーク・サーティー」など、数々の名作が生まれるはずですね。2位はもちろん、巨大人口を誇る中国の人解放軍で230万人でした。名古屋市の人口に匹敵するとは、恐るべし。中国石油天然気集団のほかフォックスコンを含む中国勢がトップ10のうち4つを占めているのは、さすがです。人口2位のインドも負けておらず、インド鉄道とインド軍がそれぞれ140万人と130万人で8位と9位にランクイン。神戸市の人口に近い数字でした。
民間ではアメリカ発の世界小売最大手ウォルマートが3位に食い込み、210万人に及びました。4位はマクドナルドで、190万人と続きます。両社、従業員数だけでなく業績不振に喘ぐという共通項を持ち、ウォルマートにいたっては4月に配管系統の障害を理由に5店舗の従業員を告知なしで2200人解雇するという事態まで引き起こしていました。両社は最近になって従業員が求め続けた賃上げをようやく発表したばかりですが、マクドナルドはフランチャイズ化に励みコスト抑制こそ再編の柱という有様です。
上場40年以上のウォルマートがフェイスブックによってS&P500時価総額ランキング・トップ10の座から引き摺り下ろされたのは、盛者必衰の理なのか。少なくとも、両社が世界で雇用をけん引する余力は乏しいと考えられます。
(カバー写真:brefoto/Flickr)
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