Markit Service PMI And KS Fed Manufacturing Index Slow In June.
米6月マークイット・サービス業PMI速報値は54.8となり、市場予想の56.5だけでなく前月の確報値56.2を下回った。5ヵ月ぶりの水準に落ち込んでいる。内訳をみると雇用が2014年6月以来の高水準を達成した前月から低下したほか、新規受注や見通しも低下。仕入れ価格や販売価格は、上向いた。総合PMIは54.6と、こちらも前月の56.0から低下。5ヵ月ぶり水準へ減速した。
サービス業PMI、せっかくの回復をほぼ打ち消し。
(出所:Markit)
発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「サービス業PMIは1月以来の水準へ落ち込んだほか、製造業活動もドル高を受け芳しくない」と振り返った。米4−6月期国内総生産(GDP)は「3%付近への回復が見込まれるものの、明らかにモメンタムは失速した」とも指摘。6月にかけての経済鈍化は、「Fedに利上げを思いとどまらせる可能性を残す」と慎重な考えを示す。
米6月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス9となり、前月のマイナス13から下げ幅を縮小した。とはいえ、4ヵ月連続で分岐点割れ。項目別動向は、以下の通り。
・生産 マイナス21、2009年2月以来で最大の下げ幅で4ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス13
・出荷 マイナス15、3ヵ月連続で分岐点割れで2013年12月に並ぶ低水準<前月はマイナス9
・在庫(最終財) マイナス6、過去4ヵ月間で3回目の分岐点割れ<前月は0
・新規受注 マイナス3、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス19
・新規輸出受注 マイナス5、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス9
・雇用 マイナス9、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス17
・平均労働時間 マイナス13、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス14
・仕入れ価格 13、5ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス6
見通し指数は3となり、前月の0を超えつつ3月の6には届かず。内訳では生産、新規受注、新規輸出受注、設備投資、仕入れ価格が上向いている。逆に出荷、雇用、在庫は前月を下回った。
——サービス業の伸びが鈍化してしまった6月は、カンザスシティ連銀製造業景況指数も分岐点割れを維持していました。製造業センチメントに着目すると、足元はまちまち。米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や米6月リッチモンド連銀製造業景況指数が強含んだ一方、米6月マークイット製造業PMI速報値と米6月NY連銀製造業景況指数は停滞しています。少なくとも製造業センチメントはドル高に圧迫され急速に回復する兆しは見受けられず、下半期に成長への課題を残します。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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