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米5月製造業受注、楽観寄りな米4−6月期GDP予想に黄信号

by • July 2, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1706

May Factory Orders Signal Softer Q2 Growth.

米5月製造業受注は前月比1.0%減と、市場予想の0.3%減より下げ幅を広げた。前月の0.7%減(0.4%減から下方修正)と合わせ、2ヵ月連続で減少。耐久財が2.2%減(米5月耐久財受注から下方修正)と押し下げており、非耐久財の0.2%増を相殺した。民間航空機が35.3%減と減少したためで、輸送機器を除く場合は0.1%増となる。

コア資本財(民間航空機を除く非防衛財)は0.4%減と、耐久財受注の0.4%増から大幅に下方修正。前月の0.7%減(0.3%減から下方修正)を含め、2ヵ月連続で減少している。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷も0.1%減で、速報値の0.3%増からマイナスに反転。前月分も0.5%%増から0.2%増へ引き下げられた。

在庫は±0%となり、前月の0.2%増から鈍化している。耐久財が0.2%減と足を引っ張り、非耐久財の0.4%増を打ち消した。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を踏まえ「企業の設備投資と在庫投資が4−6月期に伸びが小幅にとどまる可能性を示す」と指摘。米4−6月期国内総生産(GDP)予想を「2.5%増で維持する」ものの、「ドル高といった原油安以外の要因が製造業活動を抑制しているのだろう」と結んだ。

——米6月雇用統計に並び、米5月製造業受注はガッカリな結果に終わっています。翻ってアトランタ連銀は米5月製造業受注発表前の1日に見通しを変更し、前週の2.1%増から2.2%増へ引き上げていました。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)

米5月製造業受注は、こうした成長見通しに下方修正余地を残します。米6月ISM製造業景況指数が改善トレンドをたどる半面、米6月マークイット製造業PMIが弱含みなのも懸念材料。ドル高の影響に加えギリシャ債務危機もあって、製造業は夏本番に冬が到来したかのようです。米5月貿易収支で大コケすれば、アトランタ連銀の予想も引き下げざるを得ないでしょう。

ただ、原油先物が安定するなかで希望の光も差し込んできました。油田サービス大手ベーカー・ヒューズが発表した石油掘削リグ稼働数は前週から12基増えて640基となっています。2014年12月以来、24週ぶりの増加に転じました。エネルギー関連の下押し効果がはく落しつつある兆しを見せています。

(カバー写真:kris krüg/ Flickr)

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