New Bond King Expects Fed Will Not Hike This Year.
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言をはじめ決算やら経済指標、ギリシャでバタバタしている間に、経済金融専門局CNBCが15日に恒例のカンファレンス「デリバリング・アルファ」を開催していました。
物言う投資家でもゴリ押し派として知られるカール・アイカーン氏をはじめ、ネルソン・ペルツ氏、ビル・アックマン氏、ビル・ミラー氏、ラリー・フィンク氏とウォールストリートの重鎮がズラリ勢揃い。新債券王のジェフリー・ガンドラック氏も登場し、最も勝機のある投資アイデアを披露しました。以下、注目のコメントをご紹介します。
ジェフリー・ガンドラック、ダブルライン・キャピタル
「Fedは年内利上げに踏み切らない。Fedは今度こそ上手く行くと信じて再婚した者のごとく成長を楽観的に予想してきたが、今回も期待外れに終わっている。経済動向に活気は乏しく、時期尚早の利上げに踏み切れば、引き下げに転じる羽目になるだろう」
「高利回り債は2015年に買い、3〜4年先は暴落へ」
「チポトレ、デルタ航空はショート・ポジションを取る可能性」
「ドル円は、いずれ200円へ上昇も。円安を理由に、日本株を選好」
「インドは次の中国であり、米国以外の投資先として有望」
「中国は懸念材料」
ネルソン・ペルツ、トライアン・ファンド・マネジメント
「マクドナルドには、抜本的な企業文化の改革が必要。ウェンディーズ株を保有していなければ株式取得を考えた。産業用システム製造会社イートンのアレクサンダー・カトラー会長は最高経営責任者(CEO)と会長職を兼任すべきではない」(同氏はバルブ製造大手ペンティアの株式を7.24%取得、イートン株への投資に関する噂あり)
ポール・シンガー、エリオット・マネジメント
「中国株安は、サブプライム問題より深刻な危機となりうる。ただし、世界の金融市場に惨事をもたらすほどではないだろう」
「中国株の狂騒は、1920年代後半の米国と似ている」
「中国株は、政府に操作されており信用できない」
6月12日の高値から約30%沈んだ後、なりふり構わぬ支援策で下げ一服。
(出所:Stockcharts)
ビル・アックマン、パーシング・スクエア
「ファニーメイとフレディ・マックに注目。それぞれ年初来から株価は11%、4%上昇しており、上昇・下落余地はともに非常に大きいがダウンサイド・リスクは低いと見込む」
「中国は世界的な脅威と言え、中国株式市場は巨大で急落は恐怖を抱かせる」
ビル・ミラー、レッグ・メイソン元会長
「ツイッターは、今こそ買い時」
「アップルの次は、バイオテクノロジーの時代が到来する」
「アマゾン株を7%取得済み」
「住宅建築業者はあらゆる観点から割安で、増益率は年間20〜25%が期待できる。3〜5年は堅い(レナー、パルト・グループの株式を取得済み)」
「航空株、特にデルタ航空はフリーキャッシュフローや営業利益率の観点から魅力的」
カール・アイカーン、アイカーン・エンタープライズ
「ETFを組成し商品として扱うブラックロックこそ、危険な会社」
「リスクの高いジャンク債などの価格が上昇する一端は、運用会社およびETFの存在がある」
「金融機関が自己勘定取引が規制強化で縮小するなか、ETFなどが資金を吸い上げ流動性リスクを与えている」
「相場下落の過程で、投資が大量にETFを放出した場合、どうなるのか」
ラリー・フィンク、ブラックロック
「(アイカーン氏との対談で)物言う投資家は、短期的に愚かな決定を企業に下すよう強制する」
「ETFは高利回り債に透明性を与えている」
「ETFは投資商品であって流動性を脅かしたりしない」
——以上、いかがでしたか?ガンドラック氏はさすが新債券王という称号にふさわしく、経済に弱気で利上げ開始がずれ込むとの予想を貫きました。7日にも、9月利上げの確率を25%以下と発言していましたよね。カンファレンスで他に名前が挙がった個別銘柄としては百貨店大手メイシーズ、家具販売大手イーサン・アレンの名前が挙がっていました。いずれも個人消費、住宅市場に恩恵を受ける銘柄ですから、少なくともガンドラック氏ほど、他の投資家は米経済を悲観視していないようです。
(文中、カバー写真すべて:CNBC)
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