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米7月フィリー、夏なのに年初来最高からクールダウン

by • July 16, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1298

July Philly Cools Down From The Highest In The Year.

米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は5.7となり、市場予想の12.0を大きく下回った。4ヵ月ぶりの低水準を迎えている。夏の到来に、2014年12月以来の高水準を遂げた前月の15.2から熱気が薄れてしまった。

主要な項目の内訳は、以下の通り。新規受注や出荷が大幅に下振れしただけでなく、雇用や在庫がそれぞれ分岐点割れへ落ち込んだ。仕入れ価格以外、軒並み前月以下にとどまる。

・新規受注 7.1、分岐点乗せを維持<前月は15.2、2014年11月以来の高水準
・出荷 4.4、3ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は14.3、2014年12月以来の高水準
・在庫 マイナス5.7、分岐点割れへ戻す<前月は3.1

・雇用 マイナス0.4、6ヵ月ぶりの分岐点割れ<前月は3.8
・週当たり平均労働時間 4.0、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は4.7

・受注残 マイナス6.3、分岐点割れへ戻す<前月は3.7、4ヵ月ぶりに分岐点を回復
・入荷時間 マイナス6.3、3ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4.6

・仕入れ価格 20.2、2ヵ月連続で分岐点に乗せ>前月は17.2
・販売価格 1.7、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は4.8

6ヵ月先見通し指数は、41.5。前月の39.7および6ヵ月平均の35.4を上回った。ただ項目別をみると、明るい兆しは限定的。新規受注(46.3>前月は44.9)をはじめ、受注残(33.6>前月は23.4)が大きく上昇し全体に寄与するにとどまる。一方で出荷(49.7<前月は55.8)、雇用(22.2<22.3)、平均労働時間(12.7<26.1)、在庫(マイナス1.3<前月は11.3)、設備投資(7.7<前月は8.1)、仕入れ価格(37.3<前月は46.3)などは、減速した。

現況(オレンジ)は失速、見通し(グレー)は上昇も楽観的になれない内容。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

今回の特別質問項目は、季節要因について。生産に「大いに影響を与える」との回答は2013年から低下し38%にとどまり、「さほど影響しない」が60%に達した。

季節要因での生産動向をみると、春と秋に増加する傾向が見て取れる。冬期および自動車メンテナンスに入る7月は減産が目立った。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けISM製造業景況指数に換算しても「フィリーは49.2と前月の52.0から低下し、米7月NY連銀製造業景況指数(49.9、前月は51.9)と同じ傾向が見て取れる」と指摘。双方の指数は、7−9月期に「北東部の製造業活動が鈍化する可能性を示唆する」と結んだ。

——米6月鉱工業生産を振り返っても公益、鋼業以外はさえず、製造業活動は回復の芽がなかなか伸びません。中国株安やギリシャ債務危機が世界需要を冷やすのか。中国4−6月期国内総生産(GDP)は7.0%増と巡航速度ながら、疑惑は拭えない。国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは中国やユーロ圏を含め楽観的な予想を呈しているものの、海外動向はイエレンFRB議長の指摘どおり「リスク要因」をはらみます。

(カバー写真:U.S. Army RDECOM/Flickr)

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