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21日の決算レビュー:ヤフー、チポトレ、ゴープロ

by • July 21, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2314

Earnings Roundup : Yahoo, Chipotle, Gopro.

21日引け後に発表された残りの決算をおさらいしていきます。

▽ヤフー、収入が予想上回るもコスト拡大で赤字転落

ポータルサイト大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純損失が2160万ドルだった。前年同期の2億6970万ドルから、赤字に転換している。営業費用が前年同期比23.3%増の12億8810万ドルに膨らみ、赤字転落の一因に。特にトラフィック獲得費用(TAC)が4.5倍増の2億20万ドルに膨らんでいる。 株式報酬などを除く調整済み1株当たり利益も0.16ドルと、市場予想の0.18ドルを下回った。

総収入は前年同期比14.7%増の12億4330万ドル。トラフィック獲得費用(TAC)を除く収入は0.3%増の10億4000万ドルと、市場予想の10億3000万ドルを上回った。

TACを除いた収入別動向は、前年同期比で以下の通り。
・検索連動広告 2.9%減の4億1530万ドル
・表示広告 3.3%増の4億670万ドル、過去5四半期で2回目の増加
・モバイル 1.0%増の2億2110万ドル

携帯・ソーシャルメディア・ビデオ・ネーティブなどを網羅する広告収入(Mavens)は60.2%増の3億9900万ドルとなり、1−3月期の58%増から加速。全体の収入のうち、32%を占めた。

時間外取引ではコスト拡大を嫌気し一時1.8%下落したものの、投資家の視線はアリババ株のスピンオフ(分離・独立)に注がれていたはずだ。17日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した資料によると、新たに設立した投資会社Aabacoホールディングスへアリババ株3億8400万株(アリババ発行済み株数15%に相当)とヤフー・スモール・ビジネスの全株式などとともにスピンオフし、Aabacoの株式をヤフーの株主に配分する計画だ。物言う投資家スターボード・バリューに押し切られた格好で、税金支払い義務が発生しない公算。スピンオフにあたっては株主ではなく取締役会の承認が必要で、今年10−12月期末までに完了を目指すという。

▽チポトレ・メキシカン・グリル、売上が予想以下も利益率が改善

メキシコ料理系ファーストフード・チェーン大手に発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比27.1%増の1億4020万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は4.45ドルと、市場予想の4.44ドルより強い。売上高は14.1%増の12億1000万ドルと、市場予想の12億2000万ドルに届かなかった。既存店売上高は4.3%増と、市場予想の5.8%増以下に。粗利益率は28%と、前年同期の27.3%から上昇。食品調達費用が売上の33.1%にとどまり、前年同期の34.6%から改善した。

2015年見通しは既存店売上高につき1〜5%増、新規開店数も190〜205を維持した。カンファレンス・コールでは、未だ全店舗のうち40%で豚肉を提供していないと報告。チポトレは畜産業者が豚に”非人道的”に扱っているとの理由から一部業者の豚肉調達を差し止め、供給不足に陥っている。株価は売りで反応し5%付近まで下落した後、一時1.8%高に転じた。

▽ゴープロ、海外での成長を支え業績は市場予想超え

ウェラブル・カメラ製造大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が3500万ドルで前年同期の1980万ドルの赤字から黒字に転換した。ストック・オプションや買収費用などを除く1株当たり利益は0.35ドルと、市場予想の0.26ドルより強い。営業利益は4610万ドルで、前年同期の1670万ドルの赤字から黒字へ反転。調整済み営業利益は330.7%増の5070万ドルだった。粗利益は46.3%と、前年同期の42.1%から上昇。調整済み粗利益率は46.4%と、前年同期の42.2%を改善している。

ウェラブル・カメラ製造大手なだけに、躍動感溢れる株価推移。
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(出所:Stockcharts)

売上高は71.7%増の4億2000万ドルと、市場予想の3億9500万ドルを超えた。地域別では、米国が39%増の2億1230万ドル。欧州は2倍増の1億3720万ドルを遂げた。アジア太平洋にいたっては、約3倍増の7040万ドルを記録。中国が売上トップ10の国に躍り出たという。欧州とアジア太平洋を合わせると126%増となり、米国以外の売上高のシェアは49.4%に達する。

売上には、新型カメラ「Hero4」が寄与した。ただゴープロ携帯アプリのダウンロード数は250万件となり、1−3月期の260万件から減少した。アプリのサービス開始以来で1700万件に及ぶ。

決算に合わせ、ドローン型撮影カメラ「クアッドコプター」を2016年1−3月期に発売すると発表。そのほか仮想現実撮影用に6つのカメラを搭載した球面アレイ、またグーグルのジャンプ・イニシエチブと提携し16個のカメラを備え付けたアレイの生産も明らかにしている。フランスの仮想現実ソフトウェア会社Kolor買収の効果を確認したかたちだ。決算内容は悪くなかったものの米国での成長鈍化懸念から、一時2%下落。もっとも、すぐに下げ幅を打ち消す動きをみせ1.4%高へ転じた。

(カバー写真:Xerxes2K/Flickr)

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