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米6月耐久財受注は3ヵ月ぶり増加、Q2GDP予想にプラス

by • July 27, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2979

Durable Goods Orders Jump, Brighten Q2 GDP Outlook.

米6月耐久財受注は前月比3.4%増となり、市場予想の3.1%増を上回った。前月の2.1%減(1.8%減から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりにプラスに転換。過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。輸送機器が8.9%増となり、前月の6.1%減を超え3ヵ月ぶりに増加。変動の大きい民間航空機が66.1%増(前月は31.6%減)と押し上げた。自動車も0.2%増と、前月から改善している。防衛財は2.5%減となり、前月の11.0%増から小幅減に転じた。

輸送用機器は8.9%増、前月の6.1%減を超え3ヵ月ぶりに増加した。

・民間航空機 66.1%増、前月の31.6%減を上回り3ヵ月ぶりに増加
・自動車 0.2%増、前月の0.3%減を上回り増加に反転

輸送機器を除く場合は0.9%増と、市場予想の0.5%増を上回った。前月の0.4%減(0.8%増から下方修正)からプラスに転じ、3ヵ月ぶり高水準となる。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、0.4%増だった。前月の0.3%減(1.0%増から下方修正)から反転。コンピューター・電子機器や機械、電化製品が支えていた。

・電気機器 2.8%増と3ヵ月ぶりに増加
・組み立て金属 2.0%増と3ヵ月連続で増加
・機械 1.4%増と3ヵ月連続で増加
・コンピューター/電子機器 0.2%増と前月の0.8%増を含め2ヵ月連続で増加
・一次金属 1.4%減と3ヵ月ぶりに減少

耐久財出荷は前月比0.1%増となり、前月の0.3%減(0.1%減から下方修正)を上回り3ヵ月ぶりに増加した。過去6ヵ月間では、2回目の増加を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.1%減となり、前月の0.3%減(0.3%増から下方修正)と合わせ2ヵ月連続で減少した。

耐久財在庫は0.4%増と、前月の0.2%減を打ち消した。在庫と出荷がそれぞれ増加したため、在庫相当は前月と変わらず1.68ヵ月だった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財が0.9%増と力強く回復の兆候と捉えられる半面、4−6月期の前期比比年率では5.3%減だった」と振り返った。もっとも「4−6月期の在庫投資は、従来予想の800億ドル増から860億ドル増へ拡大する見通し」。在庫投資に支えられ「米4−6月GDP予想を、従来の2.2%増から2.4%増へ上方修正する」とまとめた。バークレイズも、米4−6月期GDP見通しを3.2%増から3.4%増へ引き上げた。

——米6月耐久財受注こそ航空部門が引き上げ好調でしたが、コア資本財をはじめ5月分の下方修正が痛々しい。在庫が押し上げ米4−6月期GDP予想こそ上方修正が目立ったとはいえ、企業の設備投資を示す機器投資は4−6月期にマイナスへ転じるリスクも。モルガン・スタンレーが指摘するようにドル高があらためて加速しつつあり、7−9月期に強いモメンタムに突入できるかは微妙な情勢です。

なおアトランタ連銀の米4−6月期GDPは、米耐久財受注後に発表された最新版でも2.4%増と前回17日と変わらず。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Atalanta)

エコノミスト予想平均が3%手前ですから、1−3月期と同じくウォールストリートより慎重な予想にとどまります。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文の公表翌日、30日には米4−6月期GDP速報値(ブルームバーグ調べでは27日時点でエコノミスト予想平均2.9%増)とともにベンチマーク改訂も予定し、1−3月期GDPにおける季節調整の歪みが修正される見通しで目が離せません。

(カバー写真:Wired Photostream/Flickr)

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