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米7月ADP全国雇用者数、夏本番に熱気薄れ18.5万人増

by • August 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1363

U.S. Private Sector Job Growth Slows In July.

米7月ADP全国雇用者数は前月比18.5万人増となり、市場予想の21.0万人増を上回った。前月の22.9万人増(23.7万人増から下方修正)以下にとどまり、20万人割れヘ戻している。ただ、2010年2月以来の増加トレンドは維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADP全国雇用者数、3ヵ月平均は20.3万件と6月に続き20万台。
adp
(出所:ADP)

内訳は、以下の通り。

▽企業規模別
中小企業 12.1万人増、増加トレンドを維持<前月は19.6万人増
大企業 6.4万人増、8ヵ月連続で増加>前月は3.4万人増

▽業種別
サービス業 17.8万人増<前月は21.6万人増、6ヵ月ぶり高水準
(米7月ISM非製造業景況指数の雇用は前月の55.7から、59.6と少なくとも年初来で最高)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 4.2万人増<前月は6.1万人増
・貿易/輸送/公益 2.5万人増<前月は4.7万人増
・金融 1.0万人増<前月は1.7万人増

財生産業 0.8万人増<前月は1.3万人増
米7月ISM製造業景況指数の雇用は年初来最高だった前月の55.5から、52.7へ低下)
・製造業 0.2万人増<前月は0.9万人増
・建設 1.5万人増<前月は1.7万人増

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「雇用の伸びは力強いが、年初から鈍化した」と指摘した。特に「エネルギーや製造業」で、人員削減が目立ったという。ただし「労働市場は最大の雇用に近づいている」との付け加えるのも忘れなかった。ADPのカルロス・ロドリゲス最高経営責任者(CEO)は「従業員500人以上の大企業で年初来で最高の伸びを記録した」と評価した。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、「雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の民間就労者数とADP全国雇用者数はかい離が大きい」と指摘した。その上で「7月雇用統計・NFPの予想を24.0万人増、民間就業者数を23.5万人増で据え置く」と結ぶ。なお、ブルームバーグでの米7月雇用統計・NFP予想は、21.2万人増である。

——米7月ADP全国雇用者数は予想外の鈍化となり、アトランタ連銀のロックハート総裁の発言で9月利上げ警戒が高まった米株市場に安堵をもたらしました。そうはいいながら、米7月ISM非製造業景況指数の雇用は少なくとも年初来で最高に到達。夏期休暇を控え宿泊・娯楽、エンターテイメントで雇用増加がエネルギーや製造業の人員削減を相殺する可能性を残します。

(カバー写真 : Gvahim/Flickr)

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