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米7月ISM非製造業景況指数は10年ぶり高水準、マークイットも上方修正

by • August 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1866

ISM Non-Manufacturing Index Surges To 10-Year High, Markit PMI Recovers.

米7月ISM非製造業景況指数はとなり、市場予想と一致した。前月の56.0を超え、2005年8月以来の高水準を達成している。内訳をみるとビジネス活動をはじめ新規受注、雇用、在庫関連など主要項目が軒並み上振れしていた。詳細は、以下の通り。

ビジネス活動 64.9、年初来で最高>前月は61.5
雇用 59.6、2005年8月以来の高水準>前月は52.7、5ヵ月ぶり低水準
新規受注 58.3、少なくとも年初来で最高>前月は58.3
新規輸出受注 56.5、4ヵ月ぶり高水準>前月は52.0
仕入れ価格 53.7>前月は53.0

在庫センチメント 63.5<前月は65.0、直近で最高

BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受け「18業種別では3ヵ月連続で、15業種が拡大を報告した」と指摘した。もっとも「鋼業をはじめ2業種が低下を報告していた」といい、前月の3業種(鋼業、その他サービス、建設)から減少している。前回言及された鳥インフルエンザの影響は、特に取り沙汰されなかったもよう(前月は農業・木材・漁業、芸術・娯楽、宿泊・食品サービスの3業種が挙げた)。全般的に上向きがみられるなか「サービス部門は、モメンタムを取り戻している」と考えられよう。

▽米7月マークイット・サービス業PMI確報値、速報値から上方修正

米7月マークイット・サービス業PMI確報値は55.7となり、速報値の55.2から上方修正された。市場予想の55.2だけでなく6月の確報値54.8も超えている。内訳をみると、ISM非製造業景況指数と肩を並べ雇用や新規受注などが改善していた。総合PMIは55.7と、速報値の55.2から上方修正。5ヵ月ぶり水準へ減速した前月の54.6からも、上向いた。

サービス業PMI、足元の上昇を打ち消してから小幅に改善。

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(出所:Markit)

発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「米経済は7−9月期に幸先の良いスタートを切り、米7−9月期国内総生産(GDP)は、米4−6月期GDP速報値の2.3%増に近い数字が見込まれる」との考えを示した。米7月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)も、米7月ADP全国雇用者数に反し「22.5万人増」が期待できるという。これまで9月利上げに懐疑的な見方を打ち出していたが「早ければ、9月もありうる」と指摘。ただドル高が輸出競争力を削ぐために、楽観は禁物とのスタンスも明らかにした。

——米7月ISM非製造業景況指数は思いがけなく10年ぶりの高水準を達成しており、9月利上げ余地を残しました。米7月マークイット・サービス業PMIも、改善。米7月雇用統計・NFPが巡航速度を維持すれば、FF先物市場で利上げ織り込み度に変化が訪れるでしょう。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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