NFIB Small Business Optimism Rebounds In July.
米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場情勢指数に含まれる米7月NFIB中小企業楽観度指数は95.4となり、市場予想の95.0を上回った。少なくとも2014年3月以来の低水準を示した前月の94.1を超えている。ただし、5月の98.3には届いていない。
発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「米1−3月期国内総生産(GDP)は0.6%増に上方修正され、米4−6月期GDP速報値は2.3%増だったが、米国内成長率は横ばいのように感じられる」との見解を寄せた。大企業を中心に、拡大した利益を現金積み上げや自社株買いに回すのみで「実態経済に投資していない」ためと指摘している。
NFIB中小企業楽観度指数、2014年3月以来の低水準から小幅回復。
(出所:NFIB)
内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は6月に続き7項目。「求人件数」、「設備投資を拡大する」など全般的に直近で最低を更新した項目が全て改善した。「在庫を拡大させる」は、マイナス圏からゼロへ回復。また「経済がより良くなる」は著しくマイナス幅を縮小させ、楽観モード後退が和らいだ。以下は、項目ごとの変化。
「求人件数」25%→ 直近で最低だった前月の24%から上昇
「設備投資を拡大する」24%→直近で最低だった前月の23%から上昇
「賃金を拡大させる」15%→直近で最低だった前月の11%から上昇
「事業拡大に良いタイミング」12%→ 直近で最低だった前月の9%から上昇
「雇用を増加させる」12%→ 直近で最低だった前月の9%から上昇
「売上が拡大する」6%→ 直近で最低だった前月の4%から低下
「販売価格の上昇」5%→前月と変わらず
「在庫を拡大させる」0%→前月の−4%から改善
「経済がより良くなる」−4%→ 前月の−9%から改善
「信用状況が緩和する」−5%→ 前月の−4%から悪化
「在庫満足度」−6%→ 前月の−4%から悪化
「黒字トレンドにある」−19%→ 前月の−17%から悪化
——米7月NFIB楽観度指数は、ギリシャ債務懸念が消え中国株安にも歯止めが掛かり回復しました。2008年時点で中小企業はGDPの46%を担うだけに、ホッとひと安心といったところ。利上げ開始・ドル高が意識されながら、健闘したと言えます。大手企業が設備投資に積極的ではない以上、13日に予定する米7月小売売上高で個人消費が底堅さを見せるか、今後の中小企業楽観度指数も変わってくるでしょう。
(カバー写真:Internet Association/Flickr)
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