U.S. Q2 Productivity Ticks Back, Atlanta Fed Expects Tepid Q3 Growth.
米4−6月期労働生産性・速報値は前期比年率1.3%上昇し、市場予想の1.6%に届かなかった。1−3月期の1.1%の低下(3.1%の低下から上方修正)からは改善。2006年以来の2期連続でマイナス基調を止めている。内訳をみると、生産が2.8%上昇し、大寒波・積雪に見舞われた前期の0.5%から加速。3期ぶりの高水準だった。米4−6月期国内総生産(GDP)速報値と改善と、整合的である。
労働時間は1.5%の上昇となり、前期の1.6%から鈍化した。米4−6月期雇用コスト指数が減速するなか、時間当たりの労働報酬は労働時間が短縮したこともあって1.8%上昇し、前期の1.1%を超えつつ2014年10−12月期の3.4%を下回った。結果、一定量を生産するために必要な労働経費を示す単位労働コストは0.5%の上昇と、市場予想と一致。1−3月期確報値の2.3%(6.7%から下方修正)に及ばず、3期ぶりの低水準だった。なお今回は年次改訂が行われ、過去数年間の労働生産性は下方修正されつつ単位労働コストは若干引き上げられた。
▽米6月卸売在庫、約1年ぶり高水準も過去分が下方修正
米6月卸売在庫は前月比0.9%増となり、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.6%増(0.8%増から下方修正)も超え、2014年4月以来の高い伸びを示す。非耐久財が2.3%増と前月の1.0%増と合わせ3ヵ月連続で力強い伸びを達成し、全体に寄与。特に価格が回復したため原油が3.6%増だったほか、農業製品が15.5%増と急増していた。耐久財は0.1%増と直近で最も小幅な伸びにとどまりつつ、増加トレンドを維持。耐久財のうち自動車が2.0%増と支え、増加基調を保った。ただしコンピューターが2.1%減となり、前月から減少に反転。機械も0.5%減と、足元久々に減少に落ち込んだ。
卸売売上高は0.1%増となり、前月の0.2%増と合わせ3ヵ月連続で増加した。在庫の伸びが売上高を上回ったため、在庫相当は前月まで2ヵ月連続で1.29ヵ月を経て1.30ヵ月ヘ延びた。前年同月の1.19ヵ月を超える水準を維持している。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「卸売在庫は市場予想を上回ったものの、過去分の自動車を除く耐久財在庫が米4−6月期GDP速報値での数字に届いていない」と振り返った。その上で、在庫投資の寄与度が低下すると予想。米4−6月期GDP改定値の見通しを「従来の3.0%増から2.9%増」へ引き下げた。
——米4−6月期労働生産性は引き続き伸び悩んだおかげで、単位労働コストもさえず。賃金が上向く兆しは見えません。一方で、米6月卸売在庫は強い数字に見えたものの、過去分が足を引っ張っています。
米7−9月期GDPに再び鈍化の兆しが現れるなか、注目のアトランタ連銀のGDP予想はわずか1.0%増に過ぎません。
(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)
エコノミスト予想平均の3.25%付近を大きく下回っています。足元、アトランタ連銀のGDP予想は2連勝中。再び軍配が上がるのでしょうか。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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