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米8月NY連銀製造業景況指数、09年8月以来の水準へ急降下

by • August 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1784

NY Fed Manufacturing Index Suddenly Sinks To Its Lowest Level Since 2009.

米8月NY連銀製造業景況指数はマイナス14.92となり、市場予想の4.75を大きく下回った。7月の3.86から滑り落ち分岐点を割り込んだだけでなく、金融危機の衝撃が冷めやらぬ2009年8月以来の水準へ沈んでいる。項目別では、新規受注や出荷がマイナスへ沈むなど軒並み前月から悪化が進んだ。

項目別動向は、以下の通り。

・新規受注 マイナス15.70、2010年11月以来で最低<前月はマイナス3.50
・出荷 マイナス13.79、2009年3月以来で最低<前月は7.88
・在庫 マイナス17.27と2ヵ月連続で分岐点割れ、2013年12月以来で最低<前月はマイナス8.51

・雇用 1.82、2013年12月以来の分岐点に接近<前月は3.19
・平均労働時間 マイナス1.82、年初来で最低<前月は4.26

・仕入れ価格 7.27、2009年6月以来の低水準<前月は7.45
・販売価格 0.91、2014年11月以来の低水準<前月は5.32

・入荷時間 マイナス4.55、再び分岐点割れ<前月は0
・受注残 マイナス4.55、2011年7月以来のマイナス基調を維持>前月はマイナス7.45

現況指数は落ち込み、見通し指数は改善と明暗分かれる(ブルーが現況、グレーが見通し)。

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(出所:Federal Reserve Bank Of New York)

6ヵ月先見通し指数は33.64となり、前月の27.04から改善した。出荷(32.97>前月は25.44)、平均労働時間(1.82>前月はマイナス3.19)、仕入れ価格(34.55>前月は27.66)、販売価格(10.91>前月は6.38)などが上昇。入荷時間もマイナス幅を縮めている。一方で新規受注(29.36<32.22)、雇用(3.64<前月は9.57)、在庫(マイナス13.67<前月はマイナス11.70)、設備投資(17.27<前月は21.28)が前月以下にとどまる。受注残は3ヵ月ぶりに分岐点を割り込んだ。見通し指数はヘッドラインの割に、まちまちな内容となった。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業換算では45.1と前月を4.8ポイント下回り、こちらも2009年以来の低水準」と振り返る。見通し指数が改善したものの「12ヵ月平均以下にとどまり、新規受注や設備投資が低下した点は気掛かり」と指摘。その上で「製造業セクターの地盤が固まる余地が狭い上、原油安やドル高が再燃しており引き続き鈍いペースが予想される」とまとめた。

——NY連銀製造業活動は変動が激しく、セクターを網羅する上で限定的との指摘もあります。大西洋側という地理条件を踏まえると、中国景気減速などの直撃を受けたとも考えづらい。20日発表の米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数を確認する必要があるでしょう。

(カバー写真:Monica McGivern/Flickr)

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