JP Morgan And Citi Stick With September Lift-Off Call.
ダウ平均が一時1000ドル以上も暴落し中国発の世界景気不安にマーケットが戦くなか、JPモルガンとシティグループのエコノミストは微動だにしません。
JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、顧客向けレポートで「9月利上げ予想は際どい」とし「確率は50%以下、恐らく30〜40%」と推算しました。とはいえ、9月利上げの予想を変更せず。米経済が「米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の予想に従って拡大している」点を考慮しています。金融市場のボラティリティが激しさを増しているとはいえ、利上げを遅らせた場合は「『グリーンスパン・プット(あるいはバーナンキ・プット)』の再来という印象を市場に与え、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長としては回避したいはずだ」とも指摘。何よりFedは「重要なのは利上げ開始のタイミングではなく、その緩やかな道筋」と強調してきただけに、仮にマーケットが安定した状況の時にのみ政策を変更するのであれば、これまでとの主張と齟齬を来しかねない。2013年にテーパリングの決定を12月まで遅らせた例もあって9月以降へ後ろ倒しするケースも見捨てておけないものの、9月に着手しなかった場合は「10月に機会が巡ってくると見込み、年明けまで遅らせるとは考えていない」と結びます。
シティグループのウィリアム・リー北米経済ヘッドも「FF先物市場では9月利上げの織り込み度が低下したとはいえ、マーケットには混乱収束の兆しを確認しており世界的システミック・リスクの波及も見られず、9月利上げの余地を残す」と主張します。
両者に反し、レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーターは量的緩和第4弾(QE4)を予想。FRB議長指名争いで白旗を揚げたラリー・サマーズ元米財務長官は、金融市場のリスクと中国の景気減速への計り知れない影響を踏まえ「Fedの利上げは想像し難い」と発言していました。FF先物では、9月利上げ織り込み度は21.4%。前日の19.3%から上昇したとはいえ、7月FOMC議事録公表後の45%を大きく引き離しています。同じく9月利上げ派だったバークレイズは24日、2016年3月へ予想を後ろ倒ししました。はたしてJPモルガンとシティの予想に、運命の女神は微笑むのでしょうか。
(カバー写真:Eduardo Munoz/Reuters via The Fiscal Times)
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