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米10月消費者信頼感指数、米雇用統計が仇となり3ヵ月ぶり低水準

by • October 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1709

Consumer Confidence Dips After Disappointing Jobs Report.

米10月消費者信頼感指数は97.6と、市場予想の102.9を下回った。前月の102.6(103.0から下方修正)から大きく減速。ただ、2014年9月以来の低水準だった7月の91.0(90.9から上方修正)を上回る水準を保つ。8~9月が102.6、101.3だったため、3ヵ月平均は100.5と3月以来の水準へ上向いた。内訳をみると現況指数が112.1と前月の120.3以下にとどまり3ヵ月ぶりの低水準。最高を遂げた見通し指数も92.5と前月の82.3から急伸し6月の水準に並ぶ。製造業活動指数の落ち込みから遅れて、失速した格好だ。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「消費者は現況を中心に楽観度が低下し、特に労働市場で弱い」と振り返る。また「短期的見通しの楽観度も後退している」と指摘。消費者は「米経済が短期的に力強さを増す、と捉えていないようだ」と結んだ。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「現況の労働指標が下振れしており、米9月雇用統計が仇となったのだろう」と指摘。9地域別では、3地域のみ上昇。内訳としては「(エネルギー産業が目立つ)南中部の落ち込みが目立つ半面、(バイオテクノロジーなどが多い)ニューイングランド地域は上向いた」という。もっとも「全般的には、前年同月を上回る水準を維持した」とまとめた。

個人消費支出、週当たり賃金を比較すると消費者信頼感指数の伸びが顕著。

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(出所:BloombergよりMy Big Apple NYが作成)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス3.6。9月のマイナス0.1から下げ幅を広げ、2008年1月以来のブレークイーブン超えを果たした8月の0.4が遠のいた。フランコ主席エコノミストが挙げたように雇用が下振れした半面、見通し指数も楽観度が緩んだ。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」が低下し「悪い」が上昇
「良い」26.5%→前月の28.1%から低下、前年同月は24.7%
「悪い」18.3%→前月の16.4%から上昇、前年同月は21.3%

労働市場については、「豊富」が低下、「困難」が上昇しDIは2ヵ月連続でマイナス圏
「職が豊富」22.2%→前月の24.8%から低下、前年同月は16.5%
「職探しが困難」25.8%→前月の24.9%から上昇、前年同月は29.0%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」が変わらず、「悪化する」は上昇
「良くなる」18.1%→前月の18.1%と変わらず、前年同月は16.0%
「悪化する」10.6%→前月の10.4%から上昇、前年同月は8.9%

6ヵ月先の労働市場への見方は、「増加」が低下し、「減少」が上昇
「雇用が増加する」14.5%→前月の14.9%から低下、前年同月は16.0%
「雇用が減少する」16.9%→前月の15.9%から上昇、前年同月は14.1%

6ヵ月先の所得への見方は、「増加」が低下し、「減少」が上昇
「増加する」18.0%→前月の18.7%から低下、前年同月は16.7%
「減少する」10.7%→前月の9.9%から上昇、前年同月は11.3%

購入見通しは、上昇が優勢。住宅が6.3%と前月の5.8%から上昇し足元で最高を更新した。主要機器も49.3%と、3ヵ月ぶり低水準だった前月の48.8%を超えている。自動車のみ10.6%となり、前年同月の10.8%にも届かなかった。旅行は52.7%となり、こちらは逆に前年同月の51.7%を超えた。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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