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米9月耐久財受注が弱く、米7-9月期GDP予想の下方修正促す

by • October 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1654

Economists Revise Down Q3 GDP Outlook After Durable Goods Orders.

米9月耐久財受注は前月比1.2%減となり、市場予想の1.5%減より下げ幅を縮めた。ただし、前月の3.0%減(2.0%減から下方修正)と合わせ、予想外に2ヵ月連続で減少。過去6ヵ月間で4回目の減少を示す。輸送機器のほか資本財も軟調で、防衛財が増加した程度となる。

輸送用機器は2.9%減となり、前月の6.9%減(修正値)と合わせ2ヵ月連続で減少した。

・民間航空機 35.7%減、前月の11.2%減を含め3ヵ月連続で減少
・自動車 1.8%増、前月の2.0%減から反転

輸送用機器を除く場合は0.4%減となり、市場予想の横ばいから弱含んだ。前月の0.9%減(±0%から下方修正)に続き、2ヵ月連続で減少した。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、0.3%減だった。前月の1.6%減(修正値)を含め、2ヵ月連続で減少。内訳をみると機械、コンピューター・電子機器、一次金属が減少していた。

・一次金属 2.9%減と前月の0.9%減を含め3ヵ月連続で減少
・機械 1.3%減と前月の1.0%減を含め2ヵ月連続で減少
・コンピューター/電子機器 0.6%減と前月の0.1%減を含め2ヵ月連続で減少
・電気機器 0.3%増と前月の0.8%減から反転
・組み立て金属 1.7%増と前月の2.5%減から反転

耐久財出荷は前月比0.2%増となり、前月の0.5%減から増加に転じた。過去6ヵ月間では、3回目の増加を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.6%減となり、前月の1.3%増(修正値)から反転。4カ月ぶりに減少した。

耐久財在庫は0.3%減と、前月の0.2%減と合わせ3ヵ月連続で減少した。在庫が減少し出荷が増加したもののそれぞれ小幅で、在庫相当は前月に続き1.65ヵ月だった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財が今回0.3%減だった上に8月分も0.8%減から1.6%減から下方修正され、同出荷も9月分が0.5%減で8月分は0.8%減とこちらも0.4%減から引き下げられた」と指摘。コア資本財の受注・出荷は、「4-6月期の前期比年率6.2%増から2.2%増」へ鈍化するという。8-9月の動向は設備投資の回復に疑問が残るとあって、「7-9月期の機器投資(企業の設備投資を示す)を従来の6.2%増から5.2%増、同GDP見通しも0.8%増から0.6%増」へ引き下げた。

ゴールドマン・サックスも、米7-9月期GDP予想を従来の1.2%増から1.0%増に下方修正。バークレイズも従来の1.2%増から1.0%増へ引き下げた。

——米9月耐久財受注は予想外にネガティブな内容で、米7-9月期GDP予想は軒並み下方修正されています。アトランタ連銀も、例に洩れず。米7−9月期GDPは、10月27日時点で0.8%増となり、米9月耐久財受注後に従来の0.9%増から下方修正されています。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文の公表を控え、ますます年内利上げ先送り派が台頭してくる予感。CNBCのFedサーベイ通り、年明け3月にずれ込むシナリオも見逃せない。せっかくマーケットが持ち直すなか、10月FOMCでタカ派寄りへ軸足を移し戻り局面で腰折れさせるほどFedに胆力があるとも思えませんしね。

(カバー写真:Rob./Flickr)

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