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米10月新車販売台数、またも05年2月以来の水準へ加速

by • November 4, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off1509

New Car Sales Don’t Seem To Pull The Brake.

米10月新車販売台数は、ビッグ3のうちゼネラル・モーターズ(GM)とフィアット・クライスラーが市場予想を上回った。日系メーカーは、トヨタと日産が加速。日米そろって、自動車メーカーにとって華々しい四半期入りを迎えた。引き続きトラックのほか、スポーツ多目的車(SUV)が売上に寄与。ガソリン価格が9月の2.322〜2.437ドルから、10月に一時2.228ドルと約8ヵ月ぶりの水準へ下落し需要を刺激した格好だ。また、今回は営業日が前年より1日長かったため販売台数を押し上げた。

オートデータが発表した米10月新車販売台数は、上述のように営業日が前年比で伸びたため前年同月比13.6%増の145万5,516台だった。2001年10月以来で最高を遂げている。年率では1,824万台と、市場予想の1,770万台および前月の1,817万台を颯爽と抜き去り、2000年以来初めて2ヵ月連続で1,800万台を突破した。

ケリー・ブルー・ブックによると、10月の平均販売価格は前年同月比1.4%上昇の3万4,023ドル(約408万円)だった。9月の2.0%からは、小幅に鈍化している。前月比では、0.7%の上昇。前月の0.5%の上昇を含め2ヵ月連続で上昇した。

メーカー別の10月平均価格、前月比では9月に続き排ガス不正問題に揺れるVWのみ下落。
kbb
(出所:Kelley Blue Book)

前年比で価格が上昇した一因として、引き続きSUVやトラックや輸入車など高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41%を遂げ、SUVの9%を大幅に上回っていた。

気になる自動車ローン期間は、エクスペリアン・オートモーティブによると4ー6月期で組まれたもので平均67ヵ月(約5年半)となり、1ー3月期と変わらず。標準とされる36ヵ月(3年)から大きくかけ離れた水準を保った。特に新車で73ヵ月~84ヵ月に及ぶローン期間は前年同期比15%増となり、全体で16%に及ぶ。中古車は20%増、全体で29%に至り大型車や輸入車の販売増加の陰で明らかにローン期間が延びてきた。

4−6月期の新車平均ローン支払額は、前年同期比3.4%増の483ドル(約57,960円)。NY連銀が発表した同期の自動車ローン組成額は1,190億ドルと、2005年7-9月期以来で最高に達していた。自動車ローン規模も1兆100億ドルと17期連続で増加しており、あらためて自動車ローンへの健全性に疑問を投げかけている。

年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1,700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の1,644万台を超える見通しだ。以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比15.9%増の26万2,993台となり、市場予想の12%増を大幅に上回った。3ヵ月連続で増加している。4大ブランド別では、3ブランドが増加。9月は全て前年同月比プラスだった。トラックやSUVを抱えるGMCが18.0%増の4万7,386台と、全体をけん引。ピックアップ・トラックが寄与し、2003年以来で最高を遂げた。シボレーは17.6%増の18万3,468台と、2ヵ月連続で増加。クロスオーバーが58%増と11ヵ月連続で増加しており、SUVの「エキノックス」も25%増と単月で過去最高を更新した。小型車「マリブ」は19%増と、1996年以来で最高を記録している。高級ブランドのキャデラックは13.0%増の1万5,391台と2ヵ月連続で増加し、SUVとクロスオーバーは59%増に至った。高級車ビュイックは0.2%減の1万8,660台で、SUVの「アンコール」が39%増と支え前年比のプラスは22ヵ月連続を迎えたものの微減に転じた。

フォードは13.4%増の21万3,938台となり、市場予想の14%増に届かかった。とはいえ、消費者向け販売と合わせ、9月に続き2004年以来で最高に達している。2大ブランド別では、前月に続きフォードが14.3%増の20万5,453台と、5ヵ月連続で増加した。アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」が3.3%増の6万5,500台と、4ヵ月連続でプラスをたどっただけでなく2004年以来で最高を示現。SUVの「エクスプローラー」も29.7%増の1万8,748台と前月に続き2桁増で寄与した。小型車「フォーカス」も19.6%増の1万6,423台で、主力の車種で好調な数字を叩き出している。「マスタング」も121.2%増の1万456台となり、2006年以来の高水準を示した。リンカーンは4.5%減の8,485台となり、7ヵ月ぶりに減少した。

フィアット・クライスラー・オートモビルは14.6%増の19 万5,545台となり、市場予想の13%増を超えた。前年比プラスは67ヵ月連続で、単月ベースでは2001年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、全て増加。9月の4ブランドから増えている。特にジープが33%増の7万3,561台と8ヵ月連続で単月ベースにて史上最高を更新しただけでなく、「チェロキー」など4車種が単月での記録を打ち立てた。ラムは3%増の4万6,612台となり、単月では2003年以来で最高を達成した。ドッジは12%増の4万6,612台で、2ヵ月連続で増加。「チャージャー」など4車種が単月で最大をつけた。クライスラーは1%増の2万7,801台となり、3ヵ月ぶりに増加。フィアットは1%増の3,757台と、2ヵ月連続で増加した。

日本車では、トヨタが13.0%増の20万4,045台で市場予想の7.6%増を軽く超えた。単月では、過去最高を樹立させている。ブランド別では、トヨタが13.0%増の17万7,609台でヘッドラインと同じく単月で最大に。日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が31.3%増の2万8,256台、「ハイランダー」が10.0%増の1万3,316台とそれぞれ支えた。他に、セダンの「カローラ」も12.0%増の2万7,951台、「カムリ」も4.9%増の3万4,781台とそれぞれ2ヵ月連続で増加している。レクサスは13.2%増の2万6,436台となり、増加トレンドを維持しただけでなく単月で最高に膨らんだ。

ホンダは8.6%増の13万1,651台となり、市場予想の9.1%増を下回った。もっとも、単月で最高を打ち立てている。ブランド別では、ホンダが17.3%増の11万5,572台となり、単月で過去最高を達成している。トラックが18.5%増の5万5,930台と、こちらも単月で最高をマーク。ブランド別では「パイロット」が57.6%増の1万2,913台、「オデッセイ」も2.0%増の8,746台と牽引している。またセダンの「アコード」は7.1%増の3万121台だったほか、「シビック」も10.9%増の2万7,789台と支えた。アキュラは4.2%増の1万6,079台で、2ヵ月連続で増加した。

日産は12.5%増の11万6,047台となり、市場予想の9.4%増を上抜けた。ブランド別では日産が11.5%増の10万4,904台で、2ヵ月連続で増加。トラック、SUV、クロスオーバーがそろって強く26%増となり単月で最高を示現した。SUV・トラック部門の「ローグ」が69.8%増の2万4,939台、セダンの「ベルサ」も24.9%増の1万3,855台と増加している。インフィニティは23.2%増の1万1,143台で、引き続き2桁増を達成した。

その他の海外メーカーでは排ガス問題で揺れるVWが0.24%増の3万387台と、9月に続き小幅な増加にとどまった。ただし、アウディを含むと5.8%増となり、市場予想の6.4%減より格段に強い。アウディが17%増と寄与し、全体を押し上げた。ヒュンダイ・キアは16%増の11万49台で、少なくとも2ヵ月連続で増加した。

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回はレクサスが7月に続きトップに君臨したほか、キャデラックがアキュラを抜き去り7位から6位へ浮上した。

1位 メルセデス・ベンツ 3.3%増の3万1,751台、1—2月、4—5月、9月に続き首位の座を射止めた。3月、6月、7月、8月は2位。1−10月期では7.2%増の30万1,915台で王座を堅持している。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。
2位 BMW 3.8%減の2万9,439台、3月、6月にトップを奪取した後で7−8月は3位と後塵を拝し、9−10月は2位に収まった。1−10月期では4.6%増の27万9,395台となり、メルセデス・ベンツを追撃する状況は変わらず。2014年では1位、2013年は2位だった。
3位 レクサス 13.2%増の2万6,436台、7−8月にランキングを制覇したが9−10月は3位に甘んじた。1−10月期では10.4%増の27万6,601台。2011年まで11年間連続で首位を飾っていた。

4位 ビュイック(GM)0.2%減の1万8,660台、7−9月に続きアウディの上に立つ。1−10月期では1.6%減の18万6,387台。
5位 アウディ(VW) 16.8%増の1万7,700台、VWショックに揺れながら4ヵ月連続で変わらず。1−10月期では13.0%増の16万5,103台。
6位 アキュラ 4.2%増の1万6,079台、8−9月の7位から浮上した。1−10月期では9.6%増の14万8,098台。

7位 キャデラック13.0%増の1万5,391台、8−9月はアキュラを交わし6位に立ったが陥落。1−10月期では0.3%減の14万1,090台。
8位 インフィニティ 23.2%増の1万1,143台、4ヵ月連続で8位。1−10月期で13.6%増の10万6,711台。

10月版:自動車メーカー別のシェアの1位はGMで2位はフォード、VWは12位から8位に返り咲き。

USA auto brand market share chart October 2015
(出所:Good Car Bad Car)

10月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 Fシリーズ(フォード)3.3%増の6万5,500台
2位 シルバラード(GM、シボレー)10.0%増の5万1,647台
3位 ラム(フィアット・クライスラー)2.8%増の4万931台
4位 カムリ(トヨタ)4.9%増の3万4,781台
5位 アコード(ホンダ)11.0%増の3万121台

6位 CR−V(ホンダ)0.8%減の2万9,032台
7位 RAV 4(トヨタ)31.3%増の2万8,256台
8位 カローラ(トヨタ)12.0%増の2万7,951台
9位 シビック(ホンダ)15.0%増の2万7,789台
10位 ローグ(日産)69.8%増の2万4,939台

10月SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前月比)

1位 CR−V(ホンダ)0.8%減の2万9,032台、前月も1位
2位 RAV 4(トヨタ)31.3%増の2万8,256台 前月は3位
3位 ローグ(日産)69.8%増の2万4,939台、前月は4位
4位 エスケープ(フォード)0.8%減の2万4,919台、前月は3位
5位 エクィノックス(シボレー)25.5%増の2万2,086台、前月も5位

6位 エクスプローラー(フォード)25.6%増の2万723台、前月も6位
7位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)12.5%増の1万7,673台、前月も7位
8位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)7.0%増の1万4,993台、前月も8位
9位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)7.0%増の1万5,751台、前月も9位
10位 フォレスター(スバル)17.0%増の1万5,172台、前月も10位

(カバー写真:Audi)

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