Import Prices Fall Again, Wholesale Inventories Surge Thanks To Oil.
米10月輸入物価指数は前月比0.5%低下し、市場予想の0.1%より下げ幅を広げた。前月のマイナス0.6%(0.1%から下方修正)と合わせ、4ヵ月連続で低下している。前年比は10.5%の低下と2009年9月以来から2番目の下げ幅を示した前月の11.3%(10.7%から下方修正)から小幅改善にとどまった。
前月比での内訳をみると、原油先物の下落再燃を背景にエネルギーが2.1%低下し、前月の6.0%と合わせ4ヵ月連続でマイナスだった。石油を除いた場合はドル高を一因に前月に続いて0.2%低下。マイナス基調を維持している。ドル高の余波から産業財が1.4%低下し、4ヵ月連続で落ち込みを示した。自動車・部品は0.3%低下し、前月の横ばいからマイナスに反転。資本財は前月と変わらず0.1%低下し、15ヵ月連続のマイナスをたどる。食品・飲料は1.0%低下し、前月の0.7%と合わせ2ヵ月連続で落ち込んだ。一方で、消費財のみ前月に続き0.1%上昇した。
バークレイズのロブ・マーティン米エコノミストは、結果を受け「石油を除いた輸入物価が3.4%の低下と前月から下げ幅を広げた」と指摘。輸入物価は今後、1)ドル高、2)中国の需要鈍化、3)自動車を除く消費財がアジア圏のエマージング国に依存していること――を挙げ減速トレンドをたどると予想した。
輸入物価、直近は再び前年比で2桁の低下に。
▽米9月卸売在庫、原油や医薬品など非耐久財が押し上げ大幅増
米9月卸売在庫は前月比0.5%増となり、市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.3%増(0.1%増から上方修正)を含め、2ヵ月連続で増加。7月は、2013年5月以来のマイナスに反転していた。
原油安を背景に非耐久財が1.9%増と2ヵ月連続で増加し、全体を押し上げている。原油関連を除く卸売在庫は0.5%増まで伸びを縮めつつ、医薬品関連が支えとなった。耐久財は0.4%減と前月の0.2%増から反転。耐久財のうちコンピューターが1.7%減と3ヵ月ぶりに減少したほか、機械も0.9%減と過去4ヵ月で3回目のマイナスを迎えた。自動車は0.5%増と、増加トレンドを保つ。機械は0.1%増と、前月の0.6%減からプラスに反転。一方で、コンピューターは0.5%減となり前月から減少に転じた。
卸売売上高は0.5%増となり、前月の0.9%減から回復した。在庫と売上高ともに増加したため、在庫相当は前月と変わらず1.31ヵ月。前年同月の1.20ヵ月を超える水準を維持した。
BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「予想外の増加を遂げただけでなく、米経済分析局(BEA)が米7−9月期国内総生産(GDP)速報値で試算した数値を上回る」と指摘した。8月分の上方修正もあって「米7−9月期GDPにおける在庫投資の寄与度は速報値のマイナス0.03%ポイントからプラス0.25%ポイントへ転じる」とも言及。以上のポイントから、米7−9月期GDP改定値につき「1.6%」への上方修正を見込んだ。
——米10月輸入物価はドル高の余波を引きずり、なかなかマイナス圏から脱却できません。コアPCEも軟調な推移を続けており、12月利上げの御旗を掲げるFedはインフレ見通し改善シナリオを強調せざるを得ない。頼みの労働市場が米10月雇用統計の後で失速すれば、立場は苦しくなりそうです。米9月卸売在庫の改善は、米7−9月期GDPにはグッドニュースながら米10−12月期における在庫投資の伸びを抑えかねません。米7−9月期決算で売上が3期連続で減収という実態を踏まえると、利上げを開始してもかなり緩やかな利上げペースが迫られるでしょう。
(カバー写真:Thomson Reuters via Business Insider)
Comments
米10月NFIB中小企業楽観度指数、前月から横ばいで雇用は軟化 Next Post:
米9月雇用動態調査、求人数は過去2番目の高水準