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米10月NFIB中小企業楽観度指数、前月から横ばいで雇用は軟化

by • November 11, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2337

NFIB Small Business Optimism Remains Flat.

米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場情勢指数に含まれる米10月NFIB中小企業楽観度指数は96.1となり、市場予想の96.4を下回った。4ヵ月ぶりの高水準だった前月と変わらず。世界同時株安や中国発の世界景気減速懸念を経て株価が戻りを見せるなか、少なくとも2014年3月以来の低水準を示した6月の94.1から改善をたどる。ただし、42年平均の98以下の水準を維持した。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、雇用に着目し「上昇トレンドを4ヵ月で止め今回は横ばいだった」と指摘している。

NFIB中小企業楽観度指数、2014年3月以来の低水準から回復たどるも勢いは乏しい。
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(出所:Bloomberg)

内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は7項目となり、過去2ヵ月間の8項目から減少した。今回は「設備投資を拡大させる」のほか「事業を拡大させる」、「賃金を引き上げる」などが前月から上昇した。一方で「雇用を増加させる」が前月を下回ったほか、「在庫を拡大させる」はゼロへ戻した。マイナス圏にある「経済がより良くなる」は前月から横ばいだったものの、「黒字トレンドにある」は悪化した。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」27%→前月の27%と変わらず、6ヵ月平均は27%
「設備投資を拡大する」26%→前月の25%から上昇、6ヵ月平均は25%
「賃金を引き上げる」17%→前月の16%から上昇、6ヵ月平均は12%
「事業拡大に良いタイミング」13%→前月の12%から上昇、6ヵ月平均は12%
「雇用を増加させる」11%→前月の12%から低下、6ヵ月平均は12%
「売上が拡大する」4%→前月の1%から上昇、6ヵ月平均は5%
「販売価格の上昇」2%→前月の1%から、6ヵ月平均は3%

「在庫を拡大させる」0%→前月の3%から低下、6ヵ月平均は1%

「経済がより良くなる」−4%→前月の−4%で変わらず、6ヵ月平均は−5%
「在庫満足度」−4%→前月の−5%から改善、6ヵ月平均は−4%
「信用状況が緩和する」−5%→前月の−6%から改善、6ヵ月平均は−5%
「黒字トレンドにある」−16%→前月の−13%から悪化、6ヵ月平均は−14%

——米10月NFIB楽観度指数は、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値が堅調だったように、市場予想に届かなかったとはいえしっかりでした。2008年時点で中小企業はGDPの46%を担うだけに、米経済見通しを描く上で明るい兆しが見えます。今回、雇用が上昇した点は気掛かり。ホリデー商戦での臨時雇用をテコに米10月雇用統計は年初来で最高を遂げたものの、大手小売や配送業者に押し上げられただけで中小企業は中国発・世界景気の鈍化の余波が現れた可能性を残します。経済見通しのマイナス幅は変わらずでしたが、11月に方向性が出てくるのか見極めたいところです。

(カバー写真:Independent We Stand/Flickr)

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