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米10月耐久財受注は予想超えも、Q4GDP見通し上方修正促さず

by • November 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1164

Stronger Durable Goods Orders Don’t Brighten Q4 Outlook.

米10月耐久財受注は前月比3.0%増となり、市場予想の1.7%増より強い結果となった。前月の0.8%減(1.3%減から上方修正)を上回り、3ヵ月ぶりに増加。6月以来の高い伸びを示す。過去6ヵ月間で、増加は3回目。輸送機器が牽引しつつ、資本財も堅調だった。

輸送用機器は8.0%増となり、前月の4.4%減(修正値)から力強い増加に転じた。3ヵ月ぶりにプラスへ転じている。

・民間航空機 81.0%増、前月の32.2%減を上回り4ヵ月ぶりに増加
・自動車 2.9%減、前月の1.0%増から反転

輸送用機器を除く場合は0.5%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.1%減(0.4%減から上方修正)を超え、3ヵ月ぶりに増加した。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、1.3%増だった。前月の0.4%増(0.3%増から上方修正)と合わせ、2ヵ月連続で増加している。内訳をみると機械、コンピューター・電子機器、一次金属が増加していた。

・一次金属 0.4%増と前月の2.5%減を上回り5ヵ月ぶりに増加
・機械 1.6%増と前月の0.3%減を上回り3ヵ月ぶりに増加
・コンピューター/電子機器 1.8%増と前月の0.3%減を上回り3ヵ月ぶりに増加
・電気機器 1.1%減と前月の1.6%減より下げ幅を縮めつつ3ヵ月連続で減少
・組み立て金属 0.8%減と前月の2.0%増から反転

耐久財出荷は前月比1.0%減となり、前月の0.2%増から減少に転じた。過去6ヵ月間では、3回目の減少を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.4%減となり、前月の0.7%増(0.5%増から上方修正)から反転。5カ月ぶりに減少した。

耐久財受注、コア資本財の出荷の伸び悩みが気になります。
durablegoods
(出所:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.2%減と、前月の0.6%減と合わせ4ヵ月連続で減少した。在庫が減少したものの出荷の減少幅が大きく、在庫相当は1.66ヵ月と前月の1.64ヵ月から延びた。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、結果を受け「コア資本財受注の反発は心強いが、同出荷の減少と製造業在庫は短期的にマイナス要因」と指摘した。コア資本財受注は依然として年率では2.0%減とマイナスであり「10−12月期の機器投資の予想を0.1%増から1.4%減」へ下方修正。合わせて、米10−12月期GDP予想も「従来の1.3%増から0.9%増」へ引き下げた。

——米10月耐久財受注は確かにコア資本財を中心に予想外の強さをみせたものの、出荷が明確に上向きを示さず。過剰在庫が仇となり、在庫そのものも落ち込みをみせ、GDPにはプラスに作用しませんでした。製造業景況指数は一部の地域で明るい兆しが現れているのが頼りですが、全米に広がるかは不透明。ドル高に加え地政学的リスクが頭をもたげるなか、製造業活動は厳しい環境が続きます。

(カバー写真:Barb Henry/Flickr)

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