Consumer Confidence Rebounds, Jobless Claims Surge In Holidays.
こちらでは、米12月消費者信頼感指数と米新規失業保険申請件数を振り返ります。
▽米12月消費者信頼感指数、FOMC利上げ後に上昇
米12月消費者信頼感指数は96.5となり、市場予想の93.5を下回った。5ヵ月ぶりの低水準だった前月の92.6(90.4から上方修正)から、回復。ただ3ヵ月平均は96.0と前月の98.1を下回り、7月以来の水準へ鈍化した。内訳をみると現況指数が115.3と、4ヵ月ぶりの低水準だった前月の110.9を上回った。見通し指数も83.9と、直近で最低に落ち込んだ前月の80.4を超えた。
発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「消費者センチメントは2015年の締めくくりに、労働市場を中心に現況指数で前向きなトーンを維持した」と指摘。2016年にかけては「ビジネス環境にでほぼ変化はみられず、家計見通しはまちまちだったが、楽観が悲観を上回り続けている」とまとめた。
消費者信頼感指数、利上げ後でも上向き個人消費支出などと明暗を分ける。
(作成:BEA、カンファレンス・ボードよりMy Big Apple NY)
今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス0.6。10月のマイナス4.8から下げ幅を縮め、2008年1月以来のブレークイーブン超えを果たした8月の0.4が視野に入った。以下は、結果の詳細。
ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が上昇
「良い」27.3%→前月の25.0%から上昇、前年同月は24.7%
「悪い」19.8%→前月の16.9%から上昇、前年同月は18.9%
労働市場については、「豊富」が上昇し「困難」が低下もDIは3ヵ月連続でマイナス圏
「職が豊富」24.1%→前月の21.0%から上昇、前年同月は17.2%
「職探しが困難」24.7%→前月の25.8%から低下、前年同月は27.3%
6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が低下、「悪化する」は上昇
「良くなる」15.2%→前月の15.7%から低下、前年同月は17.8%
「悪化する」11.0%→前月の10.6%から上昇、前年同月は9.9%
6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が上昇、「減少」が低下しつつ「減少」が4ヵ月連続で「増加」を上回る
「雇用が増加する」12.9%→前月の12.0%から上昇し、前年同月は14.6%
「雇用が減少する」16.6%→前月の18.5%から低下し、前年同月は16.5%
6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」が低下
「増加する」16.3%→前月の17.3%から低下、前年同月は16.2%
「減少する」9.7%→前月の11.8%から低下、前年同月は10.2%
購入見通しは、低下が優勢。自動車が10.5%と前月の12.7%を下回ったほか、住宅も5.8%と前月の6.0%を下回り3ヵ月ぶりの低水準となった。主要機器のみ51.5%と前月の49.5%から上昇した。
――米12月消費者信頼感指数は米連邦公開市場委員会(FOMC)が2006年6月以来の利上げに踏み切ったものの、現況指数を中心に上昇していきました。米景気減速への懸念が後退したようで、ビジネス環境と雇用の現況指数で改善が目覚ましい。半面、FOMCの利上げが影響しているのか見通しでは所得見通しがまちまちで、購入見通しも慎重な見方に傾いています。今回の上昇は11月の落ち込みの反動の域を出ないようです。
▽米新規失業保険申請件数、クリスマス休暇前に急増
米新規失業保険申請件数は2015年12月26日週に28.7万件と、市場予想の27万件を上回った。前週の26.7万件から急増し、2015年7月4日週以来の高水準。クリスマス前の休暇を控え申請件数が増加したか、あるいはホリデー商戦終了を前に企業がリストラに踏み切った可能性を残す。1973年11月24日以来の低水準に並んだ10月24日週の25.6万件があらためて、遠ざかった。米労働省は今回、特殊要因として「季節的な変動」を挙げている。4週平均は27万7000件と前週から増加、1973年12月以来の低水準に至った10月24日週の25万9250件を超えた水準を維持した。
12月19日週までの継続受給者数は219.8万件となり、前週の219.5万人(修正値)を上回った。2000年11月以来の低水準を記録した10月24日週の214.6万件(修正値)を超えた水準を継続している。被保険者に占める失業者の割合は前週に続き1.6%となり、1971年以来の最低をつけた。
今回は、約5ヵ月半ぶりの水準へ増加。
(作成:My Big Apple NY)
州別で申請件数の増加が目立ったのはバージニア州で2047件の増加、イリノイ州も1954件の増加、アイオワ州は1128件の増加、ケンタッキー州は1116件の増加、カンザス州も1076件の増加となる。一方で、最も減少が著しかった州はカリフォルニア州で2903件の減少、続いてミシガン州で2586件の減少、ペンシルベニア州で1280件の減少、テキサス州で1152件の減少、ニューヨーク州で1119件の減少と大都市を抱える州が目立った。
(カバー写真:Tasayu Tasnaphun/Flickr)
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