Durable Goods Orders Plunge, Economists Revise Down Q4 GDP Outlook.
米12月耐久財受注と米1月カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。
米12月耐久財受注は前月比5.1%減となり、市場予想の0.7%減より弱い結果となった。前月の0.5%減(±0%から下方修正)と合わせ2ヵ月連続で減少しただけでなく、2014年8月以来の低水準。防衛財も34.4%減と下押ししたほか、輸送機器も落ち込んだ。
輸送用機器は12.4%減となり、前月の1.0%減から下げ幅を広げ直近で最悪だった。民間航空機が大幅に落ち込んだためで、自動車も小幅減に転じている。
・民間航空機 29.4%減、2ヵ月連続で2桁減
・自動車 0.4%減、前月の1.0%増から反転
輸送用機器を除く場合は1.2%減となり、市場予想の0.1%減より下振れした。前月の0.5%減(±0%から下方修正)に続き、2ヵ月連続で減少。10ヵ月ぶりの落ち込みを示す。
コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、4.3%減だった。市場予想の0.2%減より下げ幅を拡大しただけでなく、前月の1.1%減(0.3%減から下方修正)を下回り、直近で最大の落ち込みをみせた。内訳をみると、原油安に伴いエネルギー関連が設備投資を引き下げたとみられ機械が沈んだほか、コンピューター・電子機器が弱い。電気製品、一次金属が増加したものの、力及ばずだった。
(減少項目)
・機械 5.6%減と前月の2.6%減に続き大幅な減少
・コンピューター/電子機器 2.0%減と前月の0.1%減と合わせ2ヵ月連続で減少
・組み立て金属 0.5%減と前月の1.0%増から反転
(増加項目)
・電気機器 2.6%増と前月の3.2%減から反転、4ヵ月ぶりに増加
・一次金属 0.3%増と前月の4.4%減から反転
耐久財出荷は前月比2.2%減となり、前月の0.6%増か減少に転じた。過去6ヵ月間では、3回目の減少を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.2%減となり、前月の1.1%減(修正値)を含め3ヵ月連続で減少した。
コア資本財は受注と出荷が下振れし、GDPには懸念材料。
(作成:My Big Apple NY)
耐久財在庫は0.5%増と、前月の0.2%減を上回り6ヵ月ぶりに増加に転じた。在庫が増加した一方で出荷が減少したため、在庫相当は1.69ヵ月と前月の1.64ヵ月から延び直近で最長となった。
BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、結果を受けて「10-12月期の設備投資に楽観的になれる理由はない」と振り返った。その上で、米10-12月期GDPの予想を「これまでの±0%からマイナスへの余地を見込むべきかもしれない」と結んだ。
▽米1月カンザスシティ連銀製造業景況指数、10ヵ月連続で低下
米1月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス9となり、市場予想のマイナス10ほどの悪化を免れた。前月と変わらず。2015年5月以来の低水準を維持し、10ヵ月連続で分岐点割れをたどる。項目別動向は、以下の通り。新規受注の落ち込みが目立った半面、雇用や輸出は回復した。
・新規受注 マイナス27、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス6、6ヵ月平均はマイナス8
・生産 マイナス8、2ヵ月連続で分岐点割れ=前月はマイナス8、6ヵ月平均はマイナス5
・出荷 マイナス7、2ヵ月連続で分岐点割れ=前月はマイナス7、6ヵ月平均はマイナス5
・輸出 1、分岐点を回復>前月はマイナス1、分岐点割れに戻す
・在庫(最終財) マイナス9、9ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス17、6ヵ月平均はマイナス8
・雇用 マイナス7、12ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス19、6ヵ月平均はマイナス10
・平均労働時間 マイナス7、分岐点割れを維持<前月はマイナス4、6ヵ月平均はマイナス6
・仕入れ価格 マイナス14、6ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス13、6ヵ月平均はマイナス9
見通し指数は5となり、前月の6を下回りつつ4ヵ月連続で分岐点を保った。内訳では出荷と雇用が上向いた一方、出荷や生産、新規受注が前月を下回った。
——米12月耐久財受注は驚くほど悪化したとはいえ、アトランタ連銀の試算では1月28日時点で従来の0.7%増から1.0%増へ上方修正されました。在庫の増加とともに、住宅販売が支えになったとみられます。
さて、各連銀の製造業景況指数が出揃ったところで、星取表を確認していきましょう。
・NY連銀製造業景況指数
マイナス19.37、6ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス6.21
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
マイナス3.5、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス5.9
・ダラス連銀製造業景況指数
マイナス34.6、分岐点、13ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス20.1
・リッチモンド連銀製造業景況指数
2、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は6
現状では、分岐点を回復しているのはリッチモンド連銀のみ。
(作成:My Big Apple NY)
その他では、米1月マークイット製造業PMIは前月から改善していました。仮にウルトラCで米1月ISM製造業景況指数が改善したとしても、持続できる可能性は低下しつつあります。
(カバー写真:I-5 Design & Manufacture /Flickr)
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