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米12月貿易収支、輸入が増加し赤字拡大

by • February 8, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2120

Trade Deficit Widens As Imports Increase In December.

米12月貿易収支は433.57億ドルの赤字となり、市場予想の432億ドルから拡大した。11月の422.26億ドル(423.74億ドルから修正)を2.7%上回る。輸出の減少幅が前月から改善したものの、輸入が4ヵ月ぶりに増加したため赤字拡大につながった。

内訳をみると、輸出が前月比0.3%減の1814.97億ドル。11月の1820.10億ドルから減少し、少なくとも2012年10月以来の水準へ縮小している。輸入は0.3%増の2248.54億ドルと4ヵ月ぶりに増加した。国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレを除いた実質ベースのモノの赤字は、602.73億ドル。前月の592.27億ドルを上回ったとはいえ、直近で最大を記録した8月の630.12億ドル以下の水準を保つ。なお2015年の貿易赤字は前年比4.6%増の5315億ドルと、2012年以来で最大を記録した。2014年の5050億ドルに続き、2009年以来の水準まで改善した2013年の4715億ドルから増加した。

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「足元のドル高と世界景気の鈍化を踏まえれば、悪化はそれほど深刻ではない」と指摘。実質のモノの輸出は、6ヵ月平均以下ながら2014年からのレンジ下限にとどまる程度だった。また「輸入も増加基調をたどるが6ヵ月平均に届かず、勢いが感じられない」ため、純輸出は成長下押し要因ながら、リセッションを招くような事態に陥るリスクは低いとの考えを示唆した。

貿易収支、輸出も輸入も足元は世界景気減速の余波から鈍化気味ではあります。

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(作成:My Big Apple NY)

輸出の内訳をみると、モノは前月比0.6%減と11月の1.3%減を含め3ヵ月連続で減少した。世界景気の減速を反映し、自動車関連が大きく落ち込んでいる。ドル高の影響も重なり、前月と同じく産業財も弱い。資本財も前月の横ばいから減少に転じた。

(増加項目)
・自動車 3.4%増、前月の0.7%増から減少に反転
・食品/飲料 3.6%減、前月の0.1%増から減少に反転
・産業財 1.3%減、前月の2.0%減と合わせ3ヵ月連続で減少

(減少項目)
・消費財 1.3%減、前月の5.9%減と合わせ2ヵ月連続で減少
・資本財 0.1%減、前月の1.4%減と合わせ2ヵ月連続で減少

輸入の内訳をみると、モノが0.3%増となり前月の2.1%減を上回り4ヵ月ぶりに増加した。11月に続き価格の下落が響いており、量ベースでの原油関連輸入は20.6%増と前月の2.1%増から大幅に上回る。石油製品を除いた場合は0.2%増と、前月の2.6%減から増加にてんじた。

(増加項目)
・自動車 3.4%増、前月の0.1%減から増加に反転
・産業財 1.4%増、前月の1.0%減と合わせ5ヵ月ぶりに増加
・食品/飲料 1.7%増、前月の1.1%増と合わせ2ヵ月連続で増加

(減少項目)
・消費財 5.7%減、前月の0.6%増から反転
・資本財 1.2%減、前月の1.3%増から反転

国別での貿易赤字動向をみると、最大の赤字を抱える中国への赤字は前月比10.8%減の278.88億ドルと3ヵ月連続で少した。中国は8月に3日連続で人民元を切り下げたが、米国からの輸入が増加した様子はみられない。1月6日にも人民元を切り下げており、その影響が注視される。日本は14.4%増の65.55億ドル。欧州への赤字額は5.1%減の149.24億ドルで、縮小に転じた。主な原油輸出国への貿易収支は減少が優勢。石油輸出国機構(OPEC)への貿易赤字は、66.3%減の5.74億ドルだった。メキシコへは11.4%減の45.80億ドル。唯一、カナダへの貿易赤字のみ380.5%増の21.71億ドルとなった。以下は、今回の貿易収支における輸と輸入の内訳のほか各国ごとの貿易収支動向。

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(出所:My Big Apple NY)

(カバー写真:Louis Vest/Flickr)

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