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米1月個人消費や所得、コアPCEがそろって加速

by • February 29, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2229

Personal Income And Spending Accelerates At Start Of 2016.

米1月個人消費支出は前月比0.5%増と、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.1%増(±0%から上方修正)を超え、北東部を中心に寒波や積雪に見舞われたが2015年5月以来の高水準。12ヵ月連続で増加している。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 1.23%増、前月の0.45%減から反転
・非耐久財 0.01%減、前月の0.81%減と合わせ2ヵ月連続で減少
・サービス 0.55%増、前月の0.47%増を含めプラス基調を維持

耐久財は新車販売台数の好転を背景に増加へ転じ、非耐久財はガソリン価格の下落に押し下げられながら下げ幅を縮小した。サービスは寒波と積雪を背景に暖房をはじめ電力消費が改善し、増加トレンドを維持した。

米1月個人所得は前月比0.5%増となり、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.3%増を超え、2015年6月以来の高水準。10ヵ月連続で増加している。可処分所得も0.3%増と、前月の0.2%増を超えた。所得と支出の伸びが並んだとはいえ貯蓄率は前月と変わらず5.2%となり、景気回復が鮮明になった2013年以降の平均値4.9%超えを維持している。

個人消費と個人所得は力強い伸びを遂げ、貯蓄率も高水準を維持。

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(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金/所得 0.6%増、前月の0.2%増を含め増加トレンドを維持(民間が0.7%増と前月の0.2%増から加速し増加基調をキープ、サービスが0.6%増と全体を支えただけでなく、財生産業も0.7%増と前月の減少分を完全に打ち消し。製造業が1.0%増と、前月の1.3%減から反転した)。
・不動産収入 0.5%増、前月の0.8%増と合わせ2ヵ月連続で増加(農場が5.8%増と4ヵ月ぶりに増加し、非農場も0.3%増と増加)
・家賃収入 0.7%増、前月の0.6%増に続き23ヵ月連続で増加
・資産収入 0.5%増と4ヵ月ぶりに増加、前月の0.4%減から改善(配当が0.2%増、金利収入が0.7%増と4ヵ月ぶりに増加)
・社会福祉 0.4%増、前月の0.7%増と合わせ増加基調を維持(メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.6%増と9ヵ月連続で増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.6%増と増加トレンドを維持)
・社会補助 0.4%増、前月の0.3%増を上回り少なくとも14ヵ月連続で増

米1月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.1%上昇し、市場予想の±0を上回った。前月の0.1%の低下から好転している。前年比は1.3%上昇し、市場予想の1.1%を超えた。前月の0.7%(0.6%から上方修正)から加速し、2014年10月以来の高水準を遂げた。コアPCEデフレーターは前月比0.3%上昇し、市場予想の0.2%並びに前月の0.1%(±0%から上方修正)を超えた。前年比は1.7%上昇し、市場予想の1.5%および前月の1.5%(1.4%から上方修正)から加速。2014年8月以来の高水準に並んだ。コアPCEは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」を視野に入れた。ただPCEと含め、「2%」割れはそろって2012年5月以来となる。

BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、結果を受け「個人消費が力強く、1-3月期は前期比年率2.9%増と米10-12月期GDP改定値の個人消費から加速する公算」とまとめた。

——米10-12月期GDP改定値が予想外に上方修正されたとはいえ、在庫と純輸出が背景にあり個人消費は下方修正されていました。ところが、最新の個人消費支出は米1月小売売上高とともに力強い。在庫投資や純輸出の揺り戻しを吸収する期待が募ります。

ただしアトランタ地区連銀が試算する米1-3月期GDP予想値は2.1%増と、従来の2.5%増から下方修正されていました。米1月貿易収支の速報値で、赤字拡大の公算が大きくなったため。2%増の成長率は確保する見通しながら、機器投資など設備投資の回復が待たれます。

(カバー写真:Dan Nguyen/Flickr)

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