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米1月新車販売台数、豪雪を跳ね除け好発進

by • February 3, 2016 • Latest News, NY TipsComments Off3325

New Car Sales Weather Winter Storm In January.

オートデータが発表した米1月新車販売台数は、前年同月比0.3%減の114万8,057台だった。ホリデー商戦まっただ中にあった前月の164万3,289台から、大幅に減速。年率換算では1,758万台と、前月の1,738万台から加速した。営業日が2014年1月より2営業日少なかったほか北東部を中心に第4週に豪雪が直撃したものの、力強さを示す。米10-12月期のシニア融資担当者調査では自動車ローンの融資条件の緩和を確しており、需要を喚起したようだ。なお2015年9~11月に2000年以来となる1800万台を突破したため、2015年は前年比5.7%増の1,747万台と2000年に樹立した1,735万台を突破し過去最高を塗り替えた。

メーカー別では、ビッグ3は前月と反対に全て市場予想を上回った。日系メーカーも前年比で減少がみられたものの、市場予想を超えている。車種では、引き続きトラックをはじめスポーツ多目的車(SUV)が売上に寄与。ガソリン価格が12月の2.026〜2.053ドルから、1月に一時1.856ドルと2005年3月以来の2ドル割れを記録し、引き続き大型車人気を煽ったとみられる。

ケリー・ブルー・ブックによると、1月の平均販売価格は前年同月比2.8%上昇の3万4,112ドル(約406万円)だった。12月の0.9%を大幅に上回る。前月比では、1.6%の下落。12月は0.7%上昇していたものの、5ヵ月ぶりにマイナスに転じた。メーカー別の平均価格を前月比でみると、排ガス不正問題に揺れるVWが2015年9~11月の下落を経て、同年12月に続き3%近い大幅上昇を遂げた。ただし2015年12月に続きフォードが3%近い下落を示したほか、トヨタとヒュンダイ―キアがそれぞれ1.4%、0.7%と下落に転じた

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(出所:Kelley Blue Book)

2016年の新車販売台数につき、自動車価格情報サイトのトゥルーカーは1,800万台」を予想する。ただし、伸び率は3%台とし、2015年の5.7%を下回る見通しだ。以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比0.5%増の20万3,745台となり、市場予想の0.9%減を上回った。5ヵ月連続で増加し、単月では2008年以来の高水準。4大ブランド別では2ブランドで増加し、前月の全ブランドに届いていない。詳細は、以下の通り。

・GMC 3.5%増の3万6,933台、2ヵ月連続で増加
→小売販売台数は2004年以来で最高、ピックアップ・トラックの「シエラ」が14%増と牽引したほか、SUVの「ユーコン」も4%増に。
・ビュイック 45.5%増の1万8,269台、2ヵ月連続で増加
→単月ベースでは2004年以来で最高を達成し、小売販売台数は2003年以来の好記録に。
・シボレー 3.6%減の13万7,803台、4ヵ月ぶりに減少
→小売販売台数は2ヵ月連続で2005年以来の最高を遂げ、小売ベースのみでは10ヵ月連続で増加。SUVの「シルバラード」が単月にて2007年以来で最高だったほか、小型車「クルーズ」、「ボルト」も単月で2008年以来の最高を達成している。
・キャデラック 8.0%減の1万740台、5ヵ月ぶりに減少
→「SRX」が37.1%増と単月で最高を遂げた一方、「ATS」をはじめ7モデル中6モデルがそろって減少した。

日本とインド市場からの撤退を決定したフォードは前年同月比2.8%減の17万3,723台となり、市場予想の3.2%減ほど弱含まなかった。2大ブランド別では、フォードが減少しリンカーンが増加。前月は2ブランドそろって増加していた。以下の通り。

・フォード 3.0%減の16万6,546台、8ヵ月ぶりに減少
→アルミ製ボディのトラック「Fシリーズ」が5.2%減の5万1,540台と、7ヵ月ぶりに減少に転じ全体の重石となっている。小型車の「フォーカス」29.8%減と前月に続き2桁減だったほか、SUVの「エスケープ」も4.2%減とさえない。マスタングも128%減と3ヵ月連続で下押しした。ただSUVは3%増の5万212台と2004年以来で最高の販売台数を遂げ、「エッジ」が26%増と前月に続き2桁増で寄与した。
・リンカーン 8.4%増の7,177台、2ヵ月連続で増加
→単月ベースで2006年以来、年間では2008年以来で最高。新型「MKX」が51.1%増と前月に続き2桁増で支えた。

フィアット・クライスラー・オートモビルは前年同月比6.9%増の15万5,037台となり、市場予想の0.1%減を凌駕するパフォーマンスを遂げた。前年比プラスは70ヵ月連続で、単月ベースでは2007年以来の高水準。5大ブランド別では、3ブランドが増加。前月の4ブランドを下回る。詳細は、以下の通り。

・ジープ 15%増の5万9,032台、28ヵ月連続で増加
→単月ベースでは、2013年11月以来続く過去最高をたどる。新しく投入された「レネゲード」を含め6車種中、「ラングラー」を除き全て増加。「チェロキー」、「パトリオット」、「コンパス」は単月で過去最高を遂げ、特に「コンパス」が伸び率18%増と牽引した。
・ラム 5%増の3万3,021台、前月に続き増加
→単月では、2004年以来で最高を達成した。ピックアップ・トラックが5%増で全体を支えた。
・ドッジ 19%増の4万2,109台、3ヵ月連続で増加
→単月では、前月に続き3年ぶり高水準。「チャレンジャー」、「チャージャー」、「ジャーニー」のクロスオーバ―が単月で過去最高を示した。

・フィアット 20%減の2,594台、前月から減少に反転
→新型「500X」が伸びたものの「500」や「500L」がそれぞれ49%減、58%減だった。
・クライスラー 22%減の1万8,214台、3ヵ月ぶりに減少
→ミニバン「タウン・アンド・カウンティ」が39%増と2008年以来で最高だったものの、セダン「200」63%減と全体を抑えた。

日本車では、トヨタが4.7%減の16万1,283台と市場予想の4.8%減を小幅ながら上回った。ブランド別では、2大ブランドそろって減少。営業日ベースでは、全体で3.3%増だったという。詳細は、以下の通り。

・トヨタ 12.4%増の14万350台、減少に反転
→営業日ベースで4.1%増。引き続きSUVやトラックが牽引し、日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が17.8%増の2万1,554台と、3ヵ月連続で単月での記録を塗り替えた。主力のセダンはまちまちで「カローラ」が11.4%減の2万2,362台と弱かったものの、「カムリ」が0.3%増の2万6,763台だった。
・レクサスは9.5%減の2万933台となり、増加トレンドにブレーキ
→軒並み減少しており、7車種中5車種が2桁減少を迎えた。

ホンダは前年同月比1.7%減の10万497台となり、市場予想の3.2%減より下げ幅を縮小させた。ブランド別では、ホンダが増加しアキュラの減少を打ち消している。詳細は、以下の通り。

・ホンダ 8.4%増の9万247台、前月から増加に反転
→単月で最高を達成。セダンが好調を維持しており、新型「シビック」が43.0%増の2万6,741台と2桁続伸し全体を支えた。一方で売上を支えたSUVの「CR-V」は17.2%減の1万9,208台だったほか、小型車「フィット」は46.7%減の3,095台と大幅減を示した。

・アキュラ 12.3%減の1万3,344台、増加に反転
→2007年以来で最高だった前月から鈍化。「ILX」以外、セダンとトラックともに減少した。

日産は1.6%増の10万5,734台となり、市場予想の1.7%減を颯爽と回避した。2大ブランドは、そろって増加。詳細は、以下の通り。
・日産 17.9%増の12万4,207台、4ヵ月連続で増加
→SUV・トラック部門の「ローグ」が78.0%増の2万6,479台、「ムラノ」は62%増の7,083台でそれぞれ単月での最高を示した。ただしセダン「アルティマ」は8.9%減の2万9,462台と落ち込んだ。

・インフィニティ 11.8%減の8,514台、減少に反転
→単月で最高の伸びを達成。SUVのセダン「Q70」が21.5%減だったほか、クロスオーバー「QX70」など2桁増が目立った。

その他の海外メーカーでは、フォルクスワーゲン(VW)が14.6%減の3万2,076台と市場予想の9.8%減より悪化した。排ガス不正が発覚した2015年9月、および同年10月は値下げ効果もあって小幅な増加にとどまったが、同年11月にガソリン車にも火種が及んだ影響からか2ヵ月連続で減少。また、前月比で値上がりしたことも、売上を押し下げたようだ。ただしアウディが2.7%増と前月の6.0%増から鈍化したとはいえ増加トレンドをたどり、グループ全体では8.9%減へ下げ幅を縮めた。ヒュンダイは1.1%増の4万5,011台、キアは±0%の3万8,035台とまちまちだった。

自動車メーカーからディーラーへの1台当たりインセンティブ、VWにおける前年比の上昇率が著しいほかGM、トヨタの伸びが2桁に。高級車ではBMWが最大。

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1台当たりのインセンティブの割合、キアがトップで2位は日産、フィアット・クライスラーと続く。日本勢は全米以下が優勢。

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(出所:Truecar)

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回、高級車御三家のメルセデス・ベンツ、レクサス、BMWのうちBMWが陥落。代わりに、GMのビュイックが2015年の12月の5位から3位に浮上した。1台当たりのインセンティブを見ると、BMWに比べGMの割合が高く、今回の逆転劇の一因を担ったとみられる。

1位 メルセデス・ベンツ 1.6%増の2万6,563台
→2016年は年間での王座維持に向け、好発進した。2015年は、4.7%増の37万2,977台でトップ。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。

2位 レクサス 9.5%減の2万933台
→2016年は2位と、幸先の良いスタートを切った。2015は10.7%増の34万4,601台で3位。2011年まで11年間連続で首位を飾ったが、東日本大震災後に順位を落とし2014年、2013年、2012年に続き3位にとどまる。

3位 ビュイック(GM)45.5%増の1万8,214台
→キャデラックだけでなくBMWすら抜き去り、2015年12月の5位からベスト3に滑り込んだ。2015年は2.6%減の22万3,055台で4位だった。

4位 BMW 4.7%減の1万8,082台
→2016年は、まさかのトップ3圏外で幕を開けた。2015年は1.8%増の34万6,023台で、首位の座を宿敵メルセデス・ベンツに明け渡していた。2014年では1位、2013年は2位だった。

5位 アウディ(VW)2.7%増の1万1,580台
→VWショックに揺れながら2015年の6位を経て、2016年は5位でスタートを切った。2015年は11.1%増の20万2,202台で、5位だった。

6位 キャデラック 8.0%減の1万740台
→2015年12月こそアウディを抜いて4位の座を射止めたが、2016年はビュイックの猛追に圧され6位スタートに終わった。2015年は2.6%増の17万5,262台で、7位だった。

7位 アキュラ 14.5%減の1万250台
→2015年12月と変わらず、7位だった。2015年は5.6%増の17万7,165台で6位に収まっていた。

8位 インフィニティ 11.8%減の8,514台
→7ヵ月連続で8位。2015年も13.8%増の13万3,498台で8位だった。

1月版:自動車メーカー別のシェアの1位はGM、前月は2位にトヨタとフォードが並んだが、今回トヨタは3位。VWは前月の8位の座をスバルに奪われ9位にダウン。

USA auto sales brand market share chart January 2016

(出所:Good Car Bad Car)

1月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 Fシリーズ(フォード)14.6%増の8万5,211台、前月も1位
2位 シルバラード(GM、シボレー)8.9%増の6万2,992台、前月も2位
3位 ラム(フィアット・クライスラー、ドッジ)2.5%減の4万3,135台、前月も3位
4位 カムリ(トヨタ)18.0%増の3万5,056台、前月も4位
5位 アコード(ホンダ)11.0%増の3万5,056台 前月は7位

6位 シビック(ホンダ)29.4%増の3万2,796台 前月は8位
7位 カローラ(トヨタ)7.7%増の3万2,245台 前月は9位
8位 RAV 4(トヨタ)38.6%増の3万1,866台 前月は5位
9位 CR−V(ホンダ)3.7%減の3万1,185台 前月は6位
10位 アルティマ(日産)8.9%減の2万9,462台 前月は圏外

1月SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 RAV 4(トヨタ)8.7%増の2万1,554台 前月は1位
2位 ローグ(日産)26.3%増の1万9,762台、前月は4位
3位 エスケープ(フォード)4.2%減の1万9,219台、前月は3位
4位 CR−V(ホンダ)17.2%減の1万9,208台、前月は2位
5位 エクィノックス(シボレー)5.0%減の1万8,574台、前月は6位

6位 エクスプローラー(フォード)2.5%減の1万6,614台、前月は7位
7位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)1.2%増の1万5,347台、前月は5位
8位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)2.8%増の1万3,164台、前月は8位
9位 フォレスター(スバル)6.2%増の1万1,904台、前月は9位
10位 ハイランダー(トヨタ)1.8%増の1万1,258台、前月は10位

(カバー写真:GM)

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