Trade Deficit Widens, Exports Decline Further Than Imports.
米1月貿易収支は456.77億ドルの赤字となり、市場予想の440億ドルから拡大した。2015年12月の446.98億ドル（433.57億ドルから修正）を2.2％上回る。赤字拡大は、2ヵ月連続。輸出の減少幅が前月から拡大しただけでなく、輸入の減少分を超えたため赤字拡大につながった。
内訳をみると、輸出が前月比2.1％減の1764.56億ドルと2015年12月の1802.84億ドルから減少し、2011年6月以来の水準へ縮小した。輸入は1.3％減の2221.33億ドルと前月の0.2％増から転じ、過去5か月で4回目の減少を示す。国内総生産（GDP）の算出に使用されるインフレを除いた実質ベースのモノの赤字は、619.73億ドル。前月の600.85億ドルを上回り、直近で最大を記録した2015年8月の629.13億ドル以来に次ぐ水準を迎えた。なお2015年の貿易赤字は前年比4.6％増の5315億ドルと、2012年以来で最大を記録した。2014年の5050億ドルに続き、2009年以来の水準まで改善した2013年の4715億ドルから増加した。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「輸出の減少幅が輸入を超えたため、1月の貿易赤字は2015年10－12月平均を上回った」と指摘。輸出が経済を圧迫する見通しで、「仮に2月も1月に続く赤字額となれば純輸出は1－3月期に1％ポイントと過去2四半期の0.25％ポイントから拡大する」と見込んだ。その上で上半期のGDP予想を「2.5％から1.9％」へ下方修正。米1－3月期GDPは1.6％、米4－6月期は2.1％を見込む。
貿易収支、輸出も輸入も世界景気減速の影響か減速。
（作成：My Big Apple NY）
輸出の内訳をみると、モノは前月比3.3％減と2015年12月の0.7％減から拡大し4ヵ月連続で減少した。世界景気の減速を反映し、消費財をはじめ食品／飲料、産業財、資本財など軒並み落ち込んだ。ただし、自動車のみ小幅ながら増加に転じた。
（増加項目）
・自動車 0.2％増、前月の4.4％減から増加に反転
（減少項目）
・消費財 5.0％減、前月の5.9％増から反転
・食品／飲料 4.8％減、前月の3.6％減を含め2ヵ月連続で減少
・産業財 2.9％減、前月の1.3％減を含め 4ヵ月連続で減少
・資本財 2.8％減、前月の0.8％減を含め2ヵ月連続で減少
輸入の内訳をみると、モノが1.6％減となり前月の0.2％増から転じた。過去5か月間で3回目の減少を示す。2015年12月に続き原油価格の下落が響いただけでなく、量ベースでの原油関連輸入は5.5％減と前月の18.1％増を大幅に下回った。石油製品を除いた場合は0.6％減と、前月の0.1％増から減少に転じつつ、モノの輸入より下げ幅を縮めた。
（増加項目）
・自動車 1.7％増、前月の3.4％増を含め2ヵ月連続で増加
・食品／飲料 1.5％増、前月の1.7％増を含め3ヵ月連続で増加
（減少項目）
・産業財 5.7％減、前月の1.4％増から反転
・資本財 2.4％減、前月の0.1％減を含め3ヵ月連続で減少
・消費財 0.2％減、前月の1.5％減を含め3ヵ月連続で減少
国別での貿易赤字動向をみると、最大の赤字を抱える中国への赤字は前月比3.8％増の289.34億ドルと4ヵ月ぶりに増加に転じた。中国が2015年8月に3日連続で人民元を切り下げた後に対中赤字は減少してきたものの、1月6日にも人民元を切り下げた影響からか増加した。日本への赤字は25.5％減の48.82億ドルと、縮小に反転。欧州への赤字額は32.3％減の101.06億ドルで、こちらも減少に転じた。主な原油輸出国への貿易収支は赤字拡大が優勢。石油輸出国機構（OPEC）への貿易赤字は、前月の5.74億ドルの黒字から3.64億ドルの赤字へ転じた。カナダへの貿易赤字も8.9％増の23.65億ドルと拡大している。唯一、メキシコへの赤字額が5.5％減の43.35億ドルと縮小に転じた。以下は、今回の貿易収支における輸と輸入の内訳のほか各国ごとの貿易収支動向。
（作成：My Big Apple NY）
（カバー写真：Fotorus/Flickr）
Comments
スーパー・サタデー、クルーズ候補とサンダース候補が輝く Next Post:
WSJのヒルゼンラス記者が明かす、イエレンの秘密
about the author: Sawako
