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米2月NFIB中小企業楽観度、2014年2月以来の低水準

by • March 9, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2067

NFIB Small Business Optimism Plummets To 2-Year-Low.

米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場情勢指数に含まれる米2月NFIB中小企業楽観度指数は92.9となり、市場予想の94を下回った。前月の93.9にも届かず、2014年2月以来の低水準。統計開始からの平均である98にも、届いていない。世界同時株安や原油安が一服したものの、景気減速への不安を背景にセンチメントは下振れした。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受けて「いずれの項目も強さを示さず、(楽観度指数自体は)足踏みする程度」と指摘した。中小企業のオーナーは「数ヵ月先のビジネス環境に対し非常に悲観的に傾いており、支出や雇用の見通しがそろって低下した」と振り返る。経済状況のほか政治動向の不透明性を材料視しており、特に後者は「大いなる懸念で米大統領は中小企業に好意的な政策を掲げていない」と批判した。

NFIB中小企業楽観度指数、ISMに遅れて下振れ。

スクリーンショット (323)
(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は5項目で、前月までの6項目から減少した。今回プラス項目のうち「雇用を増加させる」をはじめ、「賃金を引き上げる計画」、「求人件数」など全て前月分を下回っている。「売上が拡大する」については、上昇にブレーキを掛けた。マイナス圏では「黒字トレンドにある」が下げ幅を広げたものの、他は全て前月と変わらず。「経済がより良くなる」も前月と横ばいで、政府機関の閉鎖を受けて落ち込んだ2013年11月以来で最低を保った。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」28%→前月の29%から低下、6ヵ月平均は28%
「設備投資を拡大した」23%→前月の25%から低下、6ヵ月平均は25%
「賃金を引き上げる計画」12%→前月の15%から低下、6ヵ月平均は17%
「雇用を増加させる」10%→前月の15%から低下、6ヵ月平均 12%
「事業拡大に良いタイミング」8%→前月の10%から低下、6ヵ月平均は10%

「売上が拡大する」0%→前月の3%から低下、6ヵ月平均 3%

「在庫を拡大させる」−1%→前月の1%と変わらず、6ヵ月平均 0%
「販売価格の上昇」−4%→前月の−4%と変わらず、6ヵ月平均 −1%
「在庫満足度」−2%→前月の−2%と変わらず、6ヵ月平均 −4%「信用状況が緩和する」−7%→前月の−7%から悪化、6ヵ月平均 −6%
「黒字トレンドにある」−21%→前月の−18%から悪化、6ヵ月平均 −18%
「経済がより良くなる」−21%→前月の−21%から悪化、6ヵ月平均 −13%

――NFIB楽観度指数は、世界同時株安が2月半ばに一服したものの低下を続けました。リセッション後の平均値92.6を辛うじて上回るとはいえ、GDPの46%を担う中小企業のセンチメント低下で雇用が伸び悩む懸念がくすぶります。米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)で寄与したセクターは食品サービスや娯楽・宿泊で中小企業の割合が低いとは考えにくい。米2月雇用統計後に6月利上げ織り込み度が45%と1ヵ月前の26%から急伸していますが、センチメントの楽観度が再び勢いよく高まるかには疑問が残ります。

(カバー写真:Internet Association/Flickr)

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