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米3月NY連銀製造業景況指数、予想外に8ヵ月ぶりの分岐点回復

by • March 16, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1936

Empire State Manufacturing Index Finally Turns Positive.

米3月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)は0.62となり、市場予想のマイナス10.05に反しプラス圏を回復した。金融危機の衝撃が冷めやらぬ2009年4月以来の低水準だった1月のマイナス19.37、および2月のマイナス16.64から大幅に改善。分岐点回復は2015年7月以来、8ヵ月ぶりとなる。項目別では、新規受注に始まり出荷、平均労働時間など主要事項が分岐点を奪回している。ただし雇用は下げ幅を広げ、在庫は2月の分岐点回復から再びマイナス圏へ振れた。詳細は、以下の通り。

・新規受注 9.57と10ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス11.64、6ヵ月平均はマイナス10.43
・出荷 13.88と3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス14.39、6ヵ月平均はマイナス3.91
・在庫 マイナス6.93、分岐点割れへ戻す<前月は0、6ヵ月平均はマイナス9.78

・雇用 マイナス1.98、7ヵ月連続の分岐点割れ>マイナスマイナス0.99、6ヵ月平均はマイナス7.73
・平均労働時間 1.98、8ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス5.94、6ヵ月平均はマイナス9.95

・仕入れ価格 2.97、2009年6月以来の分岐点乗せを維持=前月は2.97、6ヵ月平均は5.08
・販売価格 マイナス5.94、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4.95、6ヵ月平均はマイナス4.16

・入荷時間 マイナス3.96、7ヵ月連続の分岐点割れ<前月はマイナス1.98、6ヵ月平均はマイナス7.92
・受注残 マイナスマ3.96、分岐点割れ継続>マイナス6.93

6ヵ月先見通し指数は19.8となり、前月の14.48から上昇。2009年2月以来の低水準だった1月の9.58から改善した。6ヵ月平均の22.06も上回っている。項目別でも、上振れが目立つ。内訳をみると、現況指数と同じく出荷(33.33>前月は23.82)、新規受注(38.96>前月は22.15)が上昇を牽引。設備投資(15.84>前月は12.87)、平均労働時間(4.95>前月は0.00)、仕入れ価格(19.80>前月は14.85)、販売価格(7.92>前月は3.96)、在庫(10.89>前月は0.99)も前月値を超えた。一方で、ヘッドラインと同じく雇用(12.87<前月は16.83)は低下した

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受けて「ISM製造業景況指数ベースでは前月から3.7ポイント改善し51.1と前月の47.4から分岐点を回復した」と振り返った。

――各連銀が発表する景況指数のスタートは、春の訪れとともに分岐点を奪回していきました。世界経済の減速懸念を吹き飛ばすかのような内容です。雇用が下振れしたとはいえ、心配無用である可能性も。

NY連銀の雇用(ブルー)は、雇用統計・非農業部門就労者数(橙、NFP)と相関関係低い。

empire

(出所:Federal Reserve Bank Of New York)

チャートにある通り、NY連銀製造業景況指数の雇用が悪化した局面でもNFPは堅調でした。製造業が回復する糸口をつかんだのか、米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数で確かめたいところです。

(カバー写真:Benito La Malfa/Flickr)

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