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米3月ミシガン大消費者信頼感・確報値、上方修正も5ヵ月ぶり低水準

by • April 4, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2195

Consumer Sentiment Leaves Uncertainty For Personal Spending.

米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は91.0と、速報値の90.0から上方修正された。市場予想の90.5を超えつつ、前月の91.7には届かず。5ヵ月ぶりの低水準となる。内訳をみると、見通し指数が81.5と速報値の80.0から上方修正されつつ、前月の81.9以下で6ヵ月ぶりの低水準に。現況指数は速報値と変わらず105.6で、前月の106.8以下となり4ヵ月ぶりの水準へ低下した。ダウに続きS&P500が年初来リターンをプラスへ転換したものの、センチメントはガソリン価格の上昇が鈍化につながった可能性を示唆。エネルギー情報局によるとガソリン価格は3月に一時2ドル台を回復し、2009年1月以来の1.7ドル割れを視野に入れていたところから切り返した。

原油先物が一時40ドル台を回復する流れを受け、インフレ見通しは1年先につき前月まで2ヵ月連続で2.5%を経て、速報値通り4ヵ月ぶりの2.7%へ上昇した。5−10年先も前月の2.5%から速報値と合わせ2.7%へ上昇、1月の水準に並んだ。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「1-3月期の消費者センチメントは平均で91.6と、2015年10-12月期の91.3及び同年90.7とさほど変わらない」との認識を寄せる。経済見通しがさほど前向きでないものの、「家計見通しが安定し前者を打ち消した」と指摘。特に「インフレ調整済みの所得見通しは2007年以来で最高」と評価し、「ガソリン価格の上昇が家計見通しを押し下げなかった点は特筆に値する」と好感している。その上で「個人消費は2016年に2.7%増加する」との予想を据え置いた。

3月確報値、上方修正も前月から低下は変わらず。

michigan
(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 127>速報値は126、前月は128で直近にて最高
向上する 36=速報値は36、前月は37で直近にて最高
変わらず 50=速報値は50、前月は50
悪化する 9<速報値は10、前月は9

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 82<速報値は85で直近にて最高、前月は81
所得の伸びが物価を上回る 22<速報値は23、前月は23で4ヵ月連続
所得の伸び率と物価が同じ 36<速報値は38、前月は34と4ヵ月ぶり低水準
所得の伸びが物価を下回る 40>速報値は38、前月は42と3ヵ月ぶり高水準

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 48.6%>速報値は48.5%、前月は48.9%

・1年先のビジネス見通し指数 104、3ヵ月連続>速報値は103、前月は104
向上する 23、2ヵ月連続=速報値は23、前月は23
変わらず 54>速報値は53、前月は55
悪化する 19、2ヵ月連続<速報値は20、前月は19

・1年先の失業率見通し指数 94>速報値と前月は93、1月は89と直近で最低
低下する 20<速報値は21、前月は19、1月は18と直近で最低
変わらず 54、2ヵ月連続>速報値は51、前月は54
上昇する 26、2ヵ月連続<速報値は28、前月は26、1月は29と直近で最高

・1年先の金利見通し指数 44、3ヵ月ぶり低水準<速報値は46、前月は53(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 7<速報値は8と前月は8、直近で最高
変わらず 29>速報値は28、前月は36で直近にて最高
上昇する 63>速報値は62、前月は55で直近にて最低

・1年先のガソリン価格指数 27.3と直近で最高>速報値は25.5、前月は20.1(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 4、直近で最低<速報値は5、前月は11
変わらず 37、直近で最低<速報値は38、前月は39
上昇する 58、直近で最高>速報値は56、前月は50

・自動車購入指数 145>速報値は144と3ヵ月ぶり低水準、前月は148
買い時 69、直近で最低=速報値69、前月は71
分からない 7>速報値と前月は6、直近で最低
買い時ではない 24<速報値は25、前月は23

・住宅購入指数 154、直近で最低<速報値と前月は155
買い時 76<速報値と前月は77
分からない 2>速報値と前月は1、直近で最低
買い時ではない 22、直近で最高=速報値と前月は22

・主要機器 155<速報値は156、前月は155
買い時 73、直近で最低=速報値は73、前月は77
分からない 9<速報値は10、前月は5
買い時ではない 18、2ヵ月連続で直近にて最高>速報値は17、前月は18

——米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通しはヘッドラインこそ楽観度増すも、内訳は向上するとの回答は変わらず悪化するとの回答が減少
2)所得の伸びが物価を下回るとの回答は、増加
3)失業率が低下するとの回答が減少、上昇するとの回答は増加
4)金利上昇を見込む予想は全体で増加も、内訳では低下するとの回答とともに上昇するとの回答も減少
5)1年先の家計見通しで向上するとの回答が横ばいだったように、主要機器をはじめ購入見通しは自動車以外で後退

米3月ミシガン大消費者信頼感・確報値は、堅調な米3月雇用統計が表すほど労働市場が個人消費をサポートする内容とは言えません。また、ミシガン大学のカーティン氏の見解とは裏腹にガソリン価格の上昇がインフレ見通しに反映され、消費の足を引っ張りかねない。筆者の懸念が杞憂に終わればよいのですが、米株高の流れが戻る過程でこの程度では先が思いやられます。

(カバー写真:mkc609/Flickr)

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