Import Price Index Rebounds Slightly In March.
米3月輸入物価指数と米3月財政収支をおさらいしていきます。
米3月輸入物価指数は前月比0.2％上昇し、市場予想の1.0％に届かなかった。前月の0.4％の低下（0.3％から下方修正）からは改善し、9ヵ月ぶりにプラス圏を回復。原油先物が反発したため、石油が6.5％の上昇と前月の6.2％の低下を打ち消す結果となり全体を押し上げた。石油を除く輸入物価指数はドル高の影響がくすぶり0.2％低下し、マイナス基調をたどる。
項目別にみると、ドル高と世界経済減速の影響から低下トレンドにあった産業財が1.8％上昇し、久々に反発を遂げた。自動車は前月の低下分を打ち消し、0.1％の上昇に転じている。一方で食品は0.6％低下し、過去5か月間で4回目のマイナスに。資本財は前月の上昇を相殺し0.1％低下、消費財は0.3％低下し3ヵ月ぶりにマイナスを示した。
輸入物価は前年比では6.2％低下し、市場予想の4.8％の低下より下げ幅を広げた。前月の6.5％の低下（6.1％から下方修正）ほどは、悪化していない。石油と食品を除く輸入物価は2.7％低下し、前月の3.0％から下げ幅を縮めた。
前年比の輸入物価、マイナス圏での推移を継続。
（作成：My Big Apple NY）
▽米3月財政赤字は予想より拡大、カレンダー要因が寄与
米3月財政収支は前年同月比1080.43億ドルの赤字と、市場予想の1040億ドルより縮小した。前年同月の529.18億ドルの赤字からは、大幅に拡大。3月は月初が日曜だったことから、カレンダー要因が影響している。歳入が4.0％増の2278.48億ドルだったものの、歳出が4.2％増の3358.91億ドルとなり赤字増加につながった。
年度初来（2015年10月～2016年3月）までの財政赤字は前年同期比4.9％増の4610億4400万ドルと、増加に転じた。米議会予算局（CBO）の予想では、2016年度（2015年10月～2016年9月）の財政赤字は5440億ドル。2015年度の財政赤字は9％減の4390億ドルと2007年以来で最低だったが、7年ぶりに増加する見通しだ。2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認し、裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字拡大が見込まれている。
――米3月輸入物価は、原油先物が40ドル台を回復する途上にあったほかドル高に一服の兆しが現れたものの、燃料以外でのインフレ低迷を確認しています。上半期の利上げを求める声がサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁から聞こえるものの、イエレン米連邦準備制度理事会（FRB）議長は慎重なスタンスを維持。低インフレが継続し、かつ英国の国民投票を前に波乱が訪れれば、6月利上げを見送るシナリオもないとは言い切れません。
（カバー写真：Rico S/Flickr）
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