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米3月中古住宅販売成約件数指数は上昇、金利低下が需要を喚起

by • April 28, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1499

Pending Home Sales Increase 2-Month In A Row.

米3月中古住宅販売成約件数指数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米3月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.4%上昇の110.5となり、市場予想の0.5%の上昇を超えた。前月の3.4%の上昇(3.5%から下方修正)と合わせ、過去6ヵ月で3回目の上昇を示す。2ヵ月連続で上昇し、指数としては約1年ぶりの高水準を遂げた。季節調整前の前年比では2.9%上昇し、市場予想の0.8%を上回った。直近で最高を示した前月の5.0%から鈍化したとはいえ、2か月連続で上昇している。

4大地域別では、前月に続き3地域で上昇。前月は、今回は北東部が18.7%上昇し、直近で最大の伸びを示した。中西部は4.5%上昇、前月の7.2%と合わせ2ヵ月連続でプラスに。石油生産地の南部も1.5%上昇し、中西部と合わせ2ヵ月連続で上向いた。石油生産地が集まる南部も2.1%上昇。IT産業を多く抱える西部は5.7%低下し、3ヵ月連続でマイナスをたどる。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「在庫が」と振り返る。ただし「多くの地域で在庫不足にも関わらず、力強かった」と指摘。今年の春は金利低下という恩恵が奏功したため「賃金の伸び上回る住宅値上がりを一部相殺し、潜在的な買い手に行動を促した」とコメント。短期的には堅調な労働市場と金利低下が住宅市場を支援する見通しだが、西部が3ヵ月連続で落ち込んだように「中央価格が過去3年間で38%も急伸した地域では前年比以下にとどまる」と慎重な見方を寄せた。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

▽MBA住宅ローン申請件数指数は4週ぶりに反落、新規・借換とも弱い

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、4月22日週に前週比4.1%低下し505.4だった。4週ぶりに反落し、これまで頼みの綱だった借換が5.0%低下の2067.7と4週ぶりに落ち込んでいた。新規2.4%低下の235.0.と、続落。ダウが2015年5月の最高値に迫る勢いをみせたものの、金利低下が一服し新規だけでなく借換も低下している。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は13.0%上昇し、前週の15.1%から伸びをせばめた。新規も14.5%の上昇(前週は17.2%の上昇)、借換も11.8%の上昇(前週は13.4%の上昇)と前週から鈍した。

MBA住宅ローン申請件数指数、金利上昇一服に素直に反応。
mba
(作成:My Big Apple NY)

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.85%と、前週の3.83%を上回った。1年前の水準に並ぶ。15年固定金利型(平均)は前週の3.06%から3.09%へ上昇。FHAのローン金利は3.78%と、前週の3.77%を小幅ながら上回った。

申請全体に占める借換の割合は54.4%と、前週の55.4%を下回った。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――米3月中古住宅販売成約件数指数のほか、予想以上の強さをみせた米3月中古住宅販売件数と合わせ住宅市場に死角は潜んでいないように見えます。あるとすれば、MBA住宅ローン申請件数指数の動向と雇用でしょう。前者は金利が小幅に上昇しただけで需要低下がみられ、後者は決算に合わせ相次いで発表されているリストラの影響が懸念されます。フロリダ州マイアミやNY州など人気エリアで値崩れしている点も、見逃せません。

(カバー写真:Jody McIntyre/Flickr)

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