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米4月住宅着工件数は予想以上に増加も、前年比は減少に反転

by • May 18, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2027

Housing Starts Jump To 7-Month High, But Permits Disappoint.

米4月住宅着工件数は年率117.2万件となり、市場予想の112.5万件より強い結果となった。前月の109.9万件(108.9万件から上方修正)を6.6%上回る。

内訳をみると、一戸建てが前月比3.3%増の77.8万件と増加に転じた。複合住宅は13.9%増の39.4万件となり、前月から増加に反転している。ヘッドラインこそ力強さをみせつけるが、前年比での住宅着工件数は1.7%減と3月の14.0%増を下回って6ヵ月ぶりに減少へ転じた。一戸建てが4.3%増と前月の20.3%増から大幅鈍化し、複合住宅も11.7%減と前月の2.4%増より弱く3ヵ月ぶりに減少した。

4大地域別では、2地域で増加し前月の1地域を上回った。今回は中西部が22.2%増の18.7万件と前月の27.5%減から転じた。南部も14.1%増の61.6万件と、前月の11.8%減を相殺。一方で前月に唯一増加した北東部は7.6%減の13.4万件と、前月に81.3%増だった反動から減少に転じた。西部は10.0%減の23.5万件と、2ヵ月連続で落ち込んだ。

米4月建設許可件数は111.6万件となり、市場予想の113.5万件を超えた。前月の107.7万件(108.6万件から下方修正)を1.5%上回り、4ヵ月ぶりに増加しつつ住宅着工件数以下にとどまる。内訳をみると、複合住宅が8.0%増の38.0万件と5ヵ月ぶりに増加しヘッドラインを押し上げた。一戸建ては1.5%増の73.6万件と前月の減少を打ち消し、4ヵ月ぶりの水準へ回復した。建設許可件数の前年比は5.3%減と速報ベースの4.6%増より弱く、17ヵ月ぶりにマイナスへ落ち込んだ。一戸建てが8.4%増(前月の速報値は13.2%増)だったものの、複合住宅が23.8%減(前月の速報値は18.6%減)と下げ幅を広げた。

米4月建設中件数は前月比0.5%増の99.9万件となった。3ヵ月連続で増加し、件数ベースでは少なくとも2008年4月以来の100万件乗せが迫る。一戸建てが0.5%増の43.3万件と14ヵ月連続で増加したほか、複合住宅も0.5%増の56.6万件と3ヵ月連続で増加した。

住宅着工件数、建設許可件数はそろって減少。

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(作成:My Big Apple NY)

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「住宅着工件数は伸びたが、建設許可件数は幾分の軟調さをみせる」と指摘。住宅着工件数の先行指標となる建設許可件数が前者を下回るなかで「住宅市場は今後数ヵ月において緩やかに増加する程度にとどまるだろう」と予想した。

――米4月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、58.4万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米3月新築住宅販売件数に程遠い水準で、引き続き在庫ひっ迫解消による住宅価格の鈍化期待を煽ります。一方で米5月NAHB住宅市場指数は4ヵ月連続で横ばいのため、住宅シーズンの到来に合わせ著しく増加できるかは不透明。米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値で金利低下の恩恵を受けながら住宅見通しが横ばいな上、住宅関連小売のホーム・デポが2-4月期決算発表後のカンファレンス・コールにて既存店売上高の鈍化を指摘するだけに住宅市場の拡大ペースは緩やかにとどまりそうです。

(カバー写真: chaim zvi/Flickr)

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